日本でも有益でユニークな情報が掲載されていると評判のエフセキュアブログ

ITセキュリティにおいて常に最良・最善を目指し、コンピュータを利用する人々すべての安全性を高めようと日夜技術を研鑽しているエフセキュア。北欧フィンランド、マレーシアはクアラルンプール、そして、米国サンノゼにセキュリティ研究所を構え、秒単位で増加していくコンピュータウイルスと闘っているエフセキュア研究者の姿を垣間見ることができるのが「エフセキュアブログ」である。今回も、刮目に値するトピックをピックアップしてレポートをお届けしよう。

Google マップ「ストリートビュー」で見た、本国フィンランドのエフセキュア本社社屋。IT技術の進歩によって、ユーザーが求める情報がいとも容易く入手することができる。が、そこには利便性だけでは計れない闇も潜んでいることを知っておこう

サイバースペースでの"やんちゃ"な行動は、アナタの将来を塞ぐ亡霊になる!?

エフセキュア セキュリティ研究所のショーン・サリバンから、「情報化が加速する現代社会の新たな問題となるのでは?」と考えさせられる興味深い報告「個人情報の調査はできません」がエフセキュアブログに掲載された。

日本でもその認知度が高まってきたFacebookや、数多あるSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)上での"行き過ぎた情報開示"は、そのユーザーの今後に多大な影を落としかねないというものだ。ショーンはシドニー・モーニング・ヘラルドに掲載された「つぶやきの脅威が拡大:くすぶるデータ・マイニングの地雷原」という記事をピックアップし、多くの人が自分たちのデジタル・アイデンティティが原因となって、将来やってくるであろうチャンスを逃すのではないかと警鐘を鳴らしている。

SNSとしての魅力に加えて、専用アプリケーションの提供によるビジネスという側面で注目を集めているFacebook

プライバシーの保護については、先般盛んにそのあり方について議論されてきた。情報化社会が進むにつれて様々な情報を手に入れることが可能になる。IT先進国フィンランドでは、就職の際に雇用主はオンラインで誰かの詳細情報にアクセスするために許可を得なければならないというルールがあるという。全ての個人情報は、本人により提供されなければならないというわけだ。

フィンランドでは社会通念として使い分けが意識されているという「プライベートでの私」と「公人としての私」。私たち日本のインターネットユーザーも、自分たちのデジタル・ペルソナをコントロールする必要に迫られているのかもしれない。

拝啓、願いを聞き入れ給え!

PDFファイルに関する諸問題は、ITセキュリティに興味のある読者の方々にお馴染みの話題として定着してしまった感がある。さて、そんなPDFファイルに関してショーン・サリバンがマイクロソフトに対して「Windowsには何故ネイティブのPDFリーダ・サポートが無いのか?」にて"Windows OS用にPDFリーダの開発のお願い"をしている。

AppleのWebサイトでは「PDFファイルを閲覧するには、ダブルクリックしてプレビューで開くだけです」とある。このような形でのネイティブ・サポートを嘆願している

Mac OSは「プレビュー」によって、PDFファイルをダブルクリックするだけで閲覧することが可能なのに対して、何故Windows OSではサードパーティ製のアプリケーションが必要なのか?と疑問を提起している。しかし、この報告の真意には"Windowsユーザーの利便性・安全性向上"への想いが込められている。

ショーンは「Office用「Save As PDFアドイン」のように、オプションでダウンロードできるようにすれば良いのでは」と進言している

ミッコ・ヒッポネンが報告した「PDFとはプロブレマティック・ドキュメント・フォーマットの略なのか?」は、ユーザーが複雑な仕様に起因するエクスプロイト(脆弱性を突いたプログラム)に困っている現状を憂いたもの。筆者もそうであるが、ショーンの言うようにPDFファイルを読みたい、確認したいだけであって、ビューアとしての機能があればそれだけでよいというユーザーは多いはずだ。誰もが実行ファイルをローンチさせたり、JavaScriptを動作させたいわけではないのだから。この願い、マイクロソフトに届くのか今後を見守りたい。

ほんとに知りたいセキュリティ情報

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