亀井静香金融担当大臣は14日、金融庁の大臣室において、雑誌やインターネット、フリー記者らを対象とした定例の記者会見を開いた。郵政改革法案に関し外務省が"圧力"をかけてきたという件に対し、「外務省は日本の国益を外国に説明する義務がある。外国の脅迫に加担するなら、いくらでもけんかしてやる」と述べた。

「外国の脅迫に加担するなら、いくらでもけんかしてやる」と述べた亀井静香金融担当大臣

亀井大臣は、新聞・テレビなどが加盟する金融庁記者クラブでの会見とは別に、雑誌やインターネット、フリー記者ら記者クラブに加盟していない媒体記者らを対象とした記者会見を開いている。

14日の会見では、閣議の報告は特にないとした後、2010年3月期の決算発表で銀行の業績が回復傾向にあると述べた上で、「税金を払っていないところも相当で、ちゃんと税金が払えるよう業績回復・社会的責任をきっちりと果たしていくべき。かってのバブル時代で荒稼ぎをし、結果として大損して税金を払えなくなった。金融界は反省をしながら、今期(の業績)良かったからと言って、おごることなく努力してもらいたい」と話した。

また、二期連続で最終赤字となる見通しの新生銀行については、「金融庁として適切な監督・指導をやりなさいと強く言っときました。外資からの経営者が、1億5,000万円とか、そういう報酬をずらーっととっている。政府が25%出資しているのだから、日本国民に遠慮しながら(という)、そういう視点を欠いた経営をやっちゃだめだね」と、赤字の中での高額報酬を批判。「そういうことが、一つの遠因となって、業績がうまくいってないのではないか」とも話した。

今後の保険監督行政に関する記者からの質問には、「保険業界というのは、自分たちの利益追求ではあるけれども、ある意味では、社会保障の一端を担っている。契約者からこんなはずじゃなかったということが実際の支払いになって起きてくる、請求しないと頬かむりしているというのは、恥ずかしい話。国民に対して誠実でなければ、保険業界だって未来がなくなると思います」と述べた。

さらに、前回(11日)の会見で亀井大臣が述べたという、4月30日に閣議決定した郵政改革関連法案に関して外務省の条約局長が「米欧がWTO違反ではないかと言っている」という趣旨の"圧力"をかけてきたという件については、「(WTOに)提訴もされていないのに、何を言っているか。WTO違反だといって脅すのは常套手段で、違反するかしないかは、個々のケースによって違うもので、それぞれの政府がせめぎあうもの」と外務省の対応を批判。

「(郵政改革法案策定においては)いろんな根回しをずーっとして、各省庁に対して異論が出ないように説明した。国民の目線で妙な民業圧迫が起きないように、第三者委員会もつくった。それをアメリカが一本調子で(批判して)、外務省の条約局長までやってきて、脅しの片棒担ぐなんてのは許せない」と強調した。

さらに、「(外務省は)米国国務省の日本支局であると、私は前から言っている。外務省というのは、外国の日本に対する要求を伝えるのも大事だけれども、日本の国益を外国に説明していく義務がある。外国の国益を損なわないようにしようとは、どこの国の外務省だ。外国の脅迫に唯々諾々と加担するなら、いくらでもけんかしてやるから。鈴木宗男じゃないけれども(笑)」と、ユーモアも交えながらも、激しい調子で怒りを表現していた。