財務省は13日、3月の国際収支状況(速報)を発表した。貿易収支/サービス収支/所得収支/経常移転収支の4項目から構成される「経常収支」は2兆5342億円の黒字となった。前年同月比は9996億円(65.1%)の大幅増。2兆円を超えるのは2008年3月(2兆9024億円)以来2年ぶりとなる。黒字は14カ月連続。

「所得収支」や「サービス収支」の黒字幅が縮小したものの、「貿易収支」の黒字幅が大幅に拡大したことで、経常収支の黒字幅が拡大した。

貿易収支は1兆747億円の黒字。輸出の増加幅が輸入の増加幅を上回ったことから、貿易収支の黒字幅が拡大。対前年同月比で9476億円(745.4%)となり、比較可能な1986年以降で最大の伸びとなった。輸出は5兆7061億円で前年同月比1兆7828億円(45.4%)の増加。輸入は4兆6313億円で、同8352億円(22.0%)の増加。

サービス収支は144億円の黒字。前年同月比では126億円(46.8%)の減少(黒字幅縮小)となった。「輸送」の赤字幅が縮小したものの、「旅行」の赤字幅が拡大し、「その他サービス」の黒字幅が縮小した。

所得収支は1兆6540億円の黒字。前年同月比では447億円(2.6%)の減少で、黒字幅が縮小した。受取の減少幅が支払の減少幅を上回った。

財務省国際局の担当者は「貿易統計をみると、アジア向けの輸出、品目では特に自動車が好調だった。リーマンショック後で輸出入が大幅に減少していた昨年3月との対比であることもあり大幅な増加となっている。経常収支の黒字は14カ月続いており、トレンドとしては徐々に回復している過程にあるといえるのでは」と話している。