楽天証券は2日、個人投資家の投資動向をレポートした「楽天DI」の4月分を発表した。「楽天DI」は、同社に総合取引口座を持つ個人投資家から毎月ア ンケート形式で動向を集計し、その結果を発表するもの。アンケート集計期間は4月26日~4月28日。有効回答数は1,123名(男性 955名、女性 168名)。
日経平均の見通し
4月26日と1カ月後の日経平均の見通しDIは、+21.28。3カ月後の日経平均見通しDIは、23.60だった。先々の強気見通しは変わらないものの、ギリシャ問題などが要因し、5月中を見渡す短期DIが、『楽天DI』の集計開始以来、最高に強気という結果となった3月よりやや低下した。楽天証券は「ギリシャ問題の差しあたっての決着は5月19日に期日が来るギリシャ国債の大量償還・借換えがスムーズに行われるかということですが、ここを跨ぐまでは市場の疑念も払拭されないよう」としながら、「ただ同期間において、3月期決算の決算発表が峠を越えるため、それらを踏まえた見通しを考えると、やはり過去2番目となる強気水準が市場参加者の間で維持されたというのは心強い限り」とした。
為替相場の見通し
為替相場の見通しDIは、ドル / 円で+33.48、ユーロ / 円で+1.87、豪ドル / 円で+26.80。「ギリシャがEUとIMFに金融支援を要請する一方で、ドイツ世論はなお反支援の姿勢が強く、独メルケル首相が支援に対して慎重なコメントをする度に市場は動揺するという感じ」(楽天証券)であることから、債券市場ではギリシャ国債の売りが優勢となり同国の金利上昇を招き続けているという。為替は株式市場の動向よりも金利・債券市場の動向をより濃く反映し、ユーロへの先安観は集計直前に123円台や124円台を見た後でもなお強いため、「ユーロという通貨そのものへの信認が低下していることの表れ」であるとしている。
今後注目する投資先
前回の集計では、指数が大きく落ち込んだ中国市場だが、前回比3.69%増の47.37%で、再び注目する投資先の第1に。一方、EU諸国の注目度は低下し、7.93%と再び8%を割れてきた。インドは46.57%、ブラジルは45.15%と「人気は安定している感じで、市場の注目は引き続き新興国市場に集まってきた」。
今後注目する投資商品
今回最も注目を集めたのは投資信託で、前月比4.36%増の36.51%となった。「あわせて注目度アップの金融商品にREIT、海外債券、国内債券という利回り重視型のものが並ぶところを見ると、ギリシャ問題などイベント・リスクを踏まえてやや保守的な運用を目先志向する感じが出てきているのかも知れません」。また、「国内株式やETFなど価格変動リスク・イメージが強いものが敬遠された感じがあるのも気になるところ」だとしている。