亀井静香金融担当大臣は7日、金融庁の大臣室において、雑誌やインターネット、フリー記者らを対象とした定例の記者会見を開いた。ギリシャの財政問題に端を発して市場が荒れている点に関して、「ギリシャを見て、(国債発行を減らすなど)日本が間違った危機感を持つと大変なことになる」と述べた。
亀井大臣は、新聞・テレビなどが加盟する金融庁記者クラブでの会見とは別に、雑誌やインターネット、フリー記者ら記者クラブに加盟していない媒体記者らを対象とした記者会見を開いている。
7日の会見では、閣議の報告は特にないとして、記者から質問を受け付けた。ギリシャの財政問題に端を発する欧州市場の混乱については、「ユーロ自体がお互いに助け合うために存在するものだから、ギリシャ経済を支援して助けることを全力でやってもらいたい」とした上で、「(日本の国債残高を挙げて)『大変なことになる』『日本は危ない』と、ギリシャを見て短絡的に間違った危機感を持つと大変なことになる。日本は外国に依存せず、国債を国内だけで消化しているし、ギリシャと比較して国力がある。ギリシャは国債を国内で消化できずに、国外で消化している」と、日本とギリシャの状況が異なることを強調した。
「日本はデフレスパイラルという大病にかかって経済は低迷しており、ギリシャを見て『国債発行をやめて緊縮財政にしましょう』なんてことを行ったら、日本経済は無茶苦茶になってしまう。日本は外国に弱いから、(そうした政策を)やりかねないので、私は一つ心配している」と懸念を表明した。
亀井大臣はさらに、国債のあり方にも言及。「ただ単純に国民からお金を借りるのではなく、環境に使いますよ、医療・介護に使いますよ、など、ちゃんとしたものに使われるということをネーミングを付けて国債発行をしていくとかいろんなやり方がある。今大事なことは、『脱官僚』ではなく、『脱財務省』『脱主計局』で、これをやることによって思い切った手が打てる」と述べた。
また、普天間基地の移設問題で、鳩山由紀夫総理大臣が述べた「抑止力」に関する質問では、「抑止力は米軍の海兵隊の問題だけではない。我が国の自衛隊だって抑止力なんだよ。日本も独立国家なんだから、海兵隊に頼るだけじゃなくて、屈強な自衛隊が、外国が攻めてきたら撃退することを考えなくてはいけない」と持論を展開。
「日本を守るために海兵隊に頼むとか、そんなこと言ってて抑止力とか言う資格はない。魂のなくなった国がよその国から攻められないはずがない。私は専守防衛、核も持っちゃいかん(と思っている)けど、アメリカの海兵隊に頼るだけが抑止力ではない」と重ねて強調した。