フランスのWithingsにより開発された「WiFi Body Scale」は、Wi-Fiを介して、インターネット接続をすることにより、体重、体脂肪率、BMI値を自動的に記録することで話題となっている体重計。今回は、実際に家庭で約1ヶ月間にわたり試用してみて感じたメリットや使い心地についてレポートしていこう。
本製品は、一見体重計とは思えないほどルックスが非常にシャープかつエレガントに仕上げられており、その点だけとっても従来の体重計とは一線を画すものとなっている。インテリアとしても見劣りしないスタイリッシュで柔らかいラインをもったデザインが大きな魅力の一つとなっているのだ。
デザインへのこだわりは、製品パッケージにも色濃く反映されており、どことなくAppleのラップトップ製品を彷彿とさせる |
製品パッケージには、体重計本体に加えて、USBケーブルや単4乾電池×4本、ロゴ入りメジャー、専用ゴム足などが同梱されている |
WiFi Body Scaleを使い始めるにあたっては、USB接続されたコンピューター(Win/Mac対応)、またはiPhoneを使ってWi-Fiの設定やファームウェアアップデート(USB接続のみ)、Withingsアカウント作成、本体との紐付けなどの作業を行う。
情報の入力などは分かりやすいので、あらかじめコンピューターでアカウント登録などを済ませておくのがオススメだ。なお、新規アカウントを作成する際には、ユーザー名(アルファベット3文字)/メールアドレス/性別/誕生日/身長などを入力する必要がある。残念ながら丁寧な解説などが記載された紙マニュアルなどが付属せず、最初のセットアップがやや面倒ではあるが、作業自体は非常にシンプルなものなので安心して行えるだろう。
最初の設定さえ完了すれば、すぐにWiFi Body Scaleを利用できる。ネットワーク接続などまったく意識することなく、従来の体重計同様に扱えるため機械が苦手な妻も納得の手軽さだ。
体重計に乗ると自動的に登録済みのユーザー名および性別アイコンが、視認性に優れたバックライト付きの大きなグラフィックスクリーン(約62mm×40mm)に表示される。また、同時に体脂肪率とBMI値も確認することができる。あとは、体重計に乗るたびに計測された体重などの情報が、Wi-Fiを介してWithingsのWEBサイトへと送信される仕組み。常に各部分の変動をモニタリング可能なので、体重変動の原因が容易に理解でき、フィットネスに効率よく取り組める。
WiFi Body Scaleで計測された各種データは、同社の提供する無料のWEBサービス「Withings」に登録されたユーザーアカウントへと蓄積されるようになっている。Withingsサイト内のデータは、毎日の体重/体脂肪率/BMI値などが美しくグラフ化され視覚的にその変化を参照可能。
しかも、WEBブラウザだけでなく、無料提供のiPhoneアプリ「WiScale」からいつでも手軽に閲覧できるので大変便利だ。さらに、本システムのウェブダッシュボードでは、最大8人までのユーザーを登録・管理できるため、家族全員で手軽にWiFi Body Scaleを共用できる。ちなみに、個人の識別は体重のデータを参照し、ユーザーを正確に自動認識しているものと思われる。
さらに、WiFi Body Scaleの魅力を高めてくれるのが、Withingsサイトのデータと各種ソーシャル系WEBサービスを連携できる共有機能だ。流行のTwitterへ自動的に体重をツイートしたり、日本では馴染みが薄いがGoogle HealthやMicrosoft HealthVaultといったWEBサービスとも連携を行える。
日々の測定結果を広く公開(非公開設定も可能)することで、1人では辛い日々のダイエットを友人や知人などと一緒に楽しんだり、面倒になり途中で挫折しがちな健康管理の抑止力としても効果を発揮してくれるはずだ。
このようにWiFi Body Scaleは、体重計というありふれた日用品にネットワーク接続機能、さらにはハードウェアとシームレス連携する専用のWEBサービスを組み合わせることで、これまでにない価値観を生み出しているのが非常に興味深い。
今回、1ヶ月間にわたり試用してみて、とても小さなことに思える日々の体重を記録するという作業により、これほどまで自分の体に対する意識が変わるとは正直なところ嬉しい驚きであった。コンピューターなどの外部機器を一切必要とせず、多種多様なWEBサービスなどともシームレスに連携可能な本製品は、日常生活に違和感なく溶け込んでくれるオススメのIT家電だ。