こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

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さて、ニコニコ動画のヘビーユーザーであれば「組曲」という単語を聞いただけで「ああ、あれか」と思い当たることでしょう。しかし、ビギナーにとっては何のことやらさっぱりわからないかもしれません。

ということで今回は、今やニコニコ動画内における"共通認識"とまでなった、この「組曲」について解説していきたいと思います。

なお、過去にご紹介した動画を再度取り上げることがありますが、その点はご了承ください。また今後「組曲」と書いた場合は「組曲『ニコニコ動画』」のことを指します。


一般的に「組曲」というと、「いくつかの楽曲を連続して組み合わせたもの」という音楽の形式のことであり、特定の楽曲を指す言葉ではありません。しかし、ニコニコ動画内においては単に「組曲」といえば、ほぼ間違いなくこの「組曲『ニコニコ動画』」を指していると捉えて間違いはないでしょう。

それほどまでに有名なこの動画のコンセプトは、当時ニコニコ動画で人気のあった楽曲をメドレー形式につないで動画にする──というもの。

2007年6月23日に「しも」によって投稿されるやいなや瞬く間に再生数を伸ばし、現在では再生数総合ランキングで5位につけ、ニコニコ動画を代表する動画のひとつにまでなっています。

また、他の上位ランキング動画と比べて派生動画が圧倒的に多いのが特徴で、「歌ってみた」「演奏してみた」を中心に様々な作品が投稿されています。


ニコニコ動画初期から活躍する「nayuta」は、ハルヒのモノマネで知られる女性の歌い手。以前、本連載でご紹介した「ランティス組曲」メンバーの一員でもある彼女が歌う組曲は、歌唱力はもちろん得意のモノマネを駆使した豊富なネタで聴いていて飽きることがありません。


やはりニコニコ動画初期から活躍する男性の歌い手「いさじ」による組曲『ニコニコ動画』。低く良く通る声は耳に心地よく響き、さらに宮崎弁を取り入れたオリジナルの歌詞も面白い!


11分近くとかなり長い組曲は演奏するのも大変です。とはいえ大変だからといって諦めないのがニコニコユーザーのすごいところ。こちらはピアノ用に自分でアレンジした組曲をぶっ通しで弾ききった動画で、原曲とはまた違った魅力を感じられる作品です。


以前にもご紹介しましたが、やはり組曲を演奏した動画でこれを外すわけにはいかないでしょう。篠笛というちょっと珍しい楽器の魅力を、組曲を通して伝えてくれる傑作です。


こうした「組曲」と「演奏してみた」のコラボ動画を重ねて、擬似的に合奏させたのがこの動画。何度となくバージョンアップを繰り返して音量等を調整し完成にこぎつけた、まさに組曲演奏動画の集大成とでも言うべき作品です。


組曲は「踊ってみた」カテゴリでも高い人気を誇っています。中でも個性的なダンスグループ「ゾンビーズ」による本作は必見の完成度! 彼らはニコニコ動画以外にもYoutubeへの投稿をはじめ(活動のメインフィールドはむしろYouTubeらしい)、イベントへの出演などオフラインの活動も活発に行っているようです。


11分近くあるわりに、聞き入っているとあっという間に終わってしまう組曲は、物語性を持たせた替え歌にもぴったり。本作は「三国志演義」について歌った替え歌動画で、全部聴くと三国志演技について一通りのことが学べるすごい動画です。


以前にも描いてみたシリーズを特集した回で取り上げましたが、このクオリティの高さは何度でもご紹介したいところ。組曲に合わせて絵を描く過程を動画にしたという作品で、画力の高さはもちろん、楽曲に合わせたモチーフをチョイスするセンス、さらには最後まで飽きさせない演出力にも注目してご覧ください。

──さて、最後は「歌ってみた」からのご紹介ですが……これまでとはちょっと意味合いが違います。


なんと組曲のうp主(動画投稿者)である「しも」自らが投稿1周年を記念して「歌ってみた」という驚くべき動画。……いや、作者が歌っても何も問題はないのですが、しも氏の場合は知名度の高さに反して彼個人の情報がほとんど表に出ていなかったため、本動画の投稿は、当時のニコニコユーザーに大きな衝撃を与えたのでした。……どういう意味かは、動画をご覧いただければきっとわかるはず。

なお、しも氏は組曲以降、「ニコニコ動画物語.wav」「ニコニコ動画流星群」「七色のニコニコ動画」等のメドレーを発表しており、これらを順番に見ていくとニコニコ動画におけるヒット曲が時期ごとにわかるという仕組みになっています。

ニコニコ動画を最近見始めたというライトユーザーで、もっとニコニコカルチャーを知りたいという方は、ぜひ組曲『ニコニコ動画』とその派生作品を発掘してみることをおすすめします。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。

(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。