亀井静香金融担当大臣は30日、金融庁の大臣室において、雑誌やインターネット、フリー記者らを対象とした定例の記者会見を開いた。亀井大臣は同日朝開かれた閣議において、郵政改革関連法案が閣議決定されたことを報告。「小泉改革を変える第3弾だ」と説明した。
閣議決定されたのは、「郵政改革法案」「日本郵政株式会社法案」「郵政改革法及び日本郵政株式会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(整備法案)」。国会への提出日は、本日(30日)。
郵政改革法案(概要)では、日本郵政株式会社、郵便事業株式会社、郵便局株式会社は、日本郵政を存続会社として2011年10月1日を効力発生日とする合併を行う。政府は、日本郵政の議決権の3分の1超を保有する。
日本郵政株式会社法案(概要)では、日本郵政は、「郵便の業務」「銀行窓口業務」「保険窓口業務」「関連銀行(ゆうちょ銀行)及び関連保険会社(かんぽ生命)の株主としての権利の行使」などを行うほか、「郵便局を活用した地域住民の利便の増進に資する業務及びこれらの業務に支障のない範囲でのその他の業務を届出により行うことができる」。
また、日本郵政は、「郵便の役務、簡易な貯蓄、送金及び債権債務決済の役務並びに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により、郵便局で一体的にかつあまねく全国において公平に利用できるようにする責務を有する」「あまねく全国において利用されることを旨として郵便局(日本郵政の営業所であって、郵便窓口業務・銀行窓口業務・保険窓口業務を行うもの)を設置しなければならない」などとされている。
さらに、日本郵政は、関連銀行(ゆうちょ銀行)及び関連保険会社(かんぽ生命)の議決権の3分の1超を保有する。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命の業務の内容・方法については、郵政改革法案(概要)では、「一定の期間、業務(子会社の業務を含む)の内容及び方法を内閣総理大臣及び総務大臣に届け出、届出内容を遵守しなければならない」「郵政改革推進委員会は、内閣総理大臣及び総務大臣の諮問に応じ、勧告の基準その他関連銀行・関連保険会社の業務に係る政策に関する重要事項を調査審議する」などとしている。
亀井大臣は、30日の閣議後に開いた、雑誌やインターネット、フリー記者らを対象とした定例の記者会見で、上記の郵政改革関連法案が閣議決定されたことを報告。「鳩山政権は、弱肉強食の市場原理主義の小泉改革をやり直すということで出発したが、私の狭い担当範囲では、(郵政改革関連法案が)その第3弾」とし、第1弾の返済猶予法案(モラトリアム法案)、第2弾の金融商品取引法改正案、第4弾の無認可共済救済法案と並ぶ、「小泉改革を変える4つの法案のうちの一つ」(亀井大臣)であると説明した。
また、郵政改革関連法案の国会へ提出日は30日であると明らかにした上で、国会での争点について、「争点と言うのは簡単。世界が回転して前に進み、日本もどんどん前に進んでいるのに、相変わらず1周遅れ、2周遅れの頭で批判している国会議員がいる。そういう方々には全力疾走で追いついてもらいたい。(世界の状況変化に合わせて)日本はどうするんだ、そういう視点から議論してもらいたい」と話し、小泉改革当時と同じ路線の主張を行っている国会議員を批判した。
上記の郵政改革法案で、「銀行・関連保険会社の業務に係る政策に関する重要事項を調査審議する」とされた第三者委員会「郵政改革推進委員会」の人選に関する質問では、「まだ(法案を)国会に諮っていませんから、(人選を開始するのは)まだまだ。国会でいろんな意見も出てくる、そういうことも咀嚼(そしゃく)したい。幅広く、ちゃんとした事業展開をしていくことについて、きちっとアドバイスのできる第三者委員会にしたい」と話した。
30日朝に、鳩山由紀夫総理大臣と1時間面会したことについては、その内容を明かさなかったが、「いろいろ話をしてきた。総理は意気軒昂、不退転の決意でやると言っていた。雰囲気も頼もしい感じを受けた」と、鳩山総理が政策課題に意欲的に取り組む意気込みを持っていることを示していた。