経済産業省は30日、3月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は94.0(季節調整済み)で、前月比0.3%の上昇となった。2か月ぶりの上昇。前年同月比では30.7%の上昇。出荷指数も上昇、在庫、在庫率指数は低下した。基調判断は「持ち直しの動きで推移している」に据え置いた。
鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。3月の鉱工業生産指数を押し上げたのは、業種別では電気機械工業、輸送機械工業、鉄鋼業等だった。品目別では普通乗用車、モス型半導体集積回路(メモリ)、はん用内燃機関の順に上昇に寄与した。
出荷指数は前月比1.6%のプラスで96.3(前年同月比は29.3%上昇)で、2カ月ぶりの上昇。上昇に寄与した業種は、鉄鋼業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等だった。
一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比マイナス1.6%の94.0で、前年同月比6.0%の低下。在庫の低下に寄与した業種は、情報通信機械工業、化学工業、一般機械工業等だった。在庫率は102.7で前月比5.2%の低下(前年同月比は29.3%の低下)だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査では、4月は前月比3.7%の上昇、5月は0.3%の低下となっている。
※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値