米Microsoftは4月26日(現地時間)、"Vail"というコードネームで開発している次期「Windows Home Server (WHS)」のベータ版を公開した。Microsoft Connectから英語版をダウンロード入手できる。
WHSは現在のWindows Server 2003ベースから、VailでWindows Server 2008 R2ベースの64ビットOSになる。32ビットPCはサポート外であり、また64ビット対応であっても既存のWHSシステムにVailをインストールするとOEMドライバとの互換性の問題が生じるため、MicrosoftはVailのベータ版をテスト用の64ビットPCにインストールすることを強く勧めている。ハードウエア要件は1.4GHz以上のx64プロセッサ、1GB以上のRAM、160GB以上のハードディスクドライブとなっている。なおインストール・プロセスにおいてPCまたはデバイスのすべてのデータが消去されるので注意が必要。
Vailの機能強化のポイントとしてMicrosoftは以下の4つを挙げている。
- シンプルなセットアップと利用体験
- 自宅/オフィス外へのメディア・ストリーミング
- 複数のPCのバックアップ・復元の強化
- パートナー向け開発ツールおよびカスタマイズ・ツールの拡張
Microsoftは、25日(同)にVailのプレビュービデオを公開し、管理コンソールの役割を担うDashboardとリモートアクセスの新しいユーザーインターフェイス(UI)を説明している。
VailをインストールするとWindows Server 2008 R2のデスクトップにDashboardのアイコンが表示された状態になる。シンプルにビジュアル化されたDashboardのUIは分かりやすい。新たにホームグループが統合されたことでWHSアカウントの有無にかかわらずホームグループに属するユーザーにパーミッションを与えられるようになった。セットアップを完了すると、デスクトップにLaunch pad、Share on Serverへのリンクのアイコンが加わる。Launch padは、バックアップ、リモートアクセス、共有フォルダ、サーバDashboardなど日常的なタスクに素早くアクセスするための手段になる。
リモートアクセス画面には「コンピュータ」「メディアライブラリ」「共有フォルダ」「リンク」などのパネルが並び、これらはユーザーが自在に並べ替えられる。パートナーがカスタムUIを提供することも可能だ。プレビュービデオではストリーミング・プレイヤーによる写真のスライドショー、音楽再生、動画再生のデモを披露している。
最終版のリリース時期についてシニアコミュニケーションマネージャーのDave Berkowitz氏は仕上がりを優先する姿勢を強調し、具体的な時期については「まだ議論する段階ではない」としている。