3月のスーパー、百貨店、コンビニエンスストアの売り上げが出そろった。全体として厳しい状況は続いているが、百貨店では高額商品など一部に動きも見られるという。今後本格的な回復へ向かうかが注目される。スーパーやコンビニでは景気低迷による節約志向に加え、天候不順で売り上げは落ち込んだ。
日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア11社の3月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比4.9%減の5,968億円で、10カ月連続の前年割れ。同協会では売上低迷の理由として「低気圧や前線の影響を受け、多雨で日照時間も少なかった」「行楽需要が増す月末にかけて強い寒気の影響で全国的に顕著な低温となった」など、天候不順の影響が大きいとみている。来店客数は、既存店ベースでは10億5,346万人で前年同月比1.6%減(9カ月連続マイナス)、全店ベースでは11億2,555万人で同0.4%増(3カ月連続プラス)。平均客単価は566.6円(既存店ベース)で同3.4%減(16カ月連続マイナス)だった。商品別(全店ベース)では、菓子やソフトドリンクなどの「加工食品」が4.5%減、弁当やパンなどの「日配食品」が3.7%減、「非食品」が1.2%増となった。「サービス」は8.8%減だった。
スーパーも天候不順の影響が響いた。日本チェーンストア協会の発表によると、3月のスーパー売上高は9,761億円で前年同月比6.6%減(店舗調整後)。16カ月連続の前年割れで、減少率は2月の同2.4%減から4.2ポイント悪化している。主力の食料品は6.2%減。衣料品は8.7%減。「下旬に強い寒気が流れ込み顕著な低温となったことから春物商品の動きが鈍かった」という。日用雑貨品や家具・家電などを含む「住関品」は7.4%減、サービスは4.8%減だった。
低迷が長引く百貨店業界だが、下げ止まりの様相も見られる。日本百貨店協会によると3月の全国百貨店売上高は5,436億円で前年比3.5%減(既存店ベース)。25カ月連続の前年割れとなるが、減少率については昨年12月以降4カ月連続で1ケタ台に収まっており、2月の5.4%減からは1.9ポイント改善している。
商品別にみると「家庭用品」が28カ月ぶりにプラス(前年比0.9%増)に。「商品券」は今月も好調で前年比11.4%増。5カ月連続で前年を上回った。ほかの項目をみても「化粧品」と「生鮮食品」を除き前月から改善している。同協会では「基調的には主力の衣料品や宝飾品・輸入雑貨などの高額品が動き始めており、各種催事の好調さにも支えられて店頭には活気が出てきた。デフレによる単価の下落傾向は続いているものの、企業収益改善を背景とした株価の回復から、特に富裕層の消費マインドに明るさが見られ、緩やかではあるが着実に持ち直しの傾向が続いている」と分析している。