新海誠監督作品のプロデュースを始め、インディーズアニメーションを数多く手がけるコミックス・ウェーブ・フィルムの製作・配給による、粟津順監督・最新作『プランゼット』。2010年5月22日より池袋テアトルダイヤほかにて公開開始となる本作の完成披露試写会が4月20日、お台場シネマメディアージュにて開催され、舞台挨拶に主人公・明嶋大志役の宮野真守、主人公の妹・明嶋こよみ役の石原夏織、そして粟津順監督が登壇した。
『プランゼット』は、前作『惑星大怪獣ネガドン』(2005年)を1人で作り上げ、「新時代特撮」の担い手として期待される粟津順監督の最新作。本作は、CGでありながら、古き良き特撮映画へのオマージュをちりばめた前作の"新時代特撮"を、さらに自ら進化させた作品で、2053年を舞台に人類の危機が描き出される。
■劇場CGアニメ『プランゼット』ストーリー概要
2053年。突如宇宙より現れた謎の生命体の侵略により人口の大半を失った地球。人類の反撃作戦がことごとく失敗に終わる中、日本方面軍・富士基地では敵拠点を叩く最終作戦「プランゼット」が計画される。
ロボット兵器の搭乗員・明嶋大志は失敗の許されない本作戦で基地の死守を命じられる。その戦いを前に、大志はたった一人の家族である妹こよみを安全な火星へと避難させる。
人類の存亡をかけた作戦「プランゼット」がついに始動。出撃した大志たちは圧倒的な数の敵と対峙する。はたして人類は滅亡の危機をどう戦いうるのか――。
制作は監督自らがコミックス・ウェーブ・フィルム内にチームを立ち上げ、さらにCG制作では定評の高い白組をはじめとしたスタジオが協力参画。リアルな世界観を描くためにマットペイントを起用するなど進化した映像は粟津監督ならではといえよう。音楽には前作でもタッグを組んだ寺沢新吾が担当する。
キャスト陣は、主人公の明嶋大志役に宮野真守。その大志の妹・明嶋こよみ役に石原夏織を配するほか、竹内順子、津田健次郎、寺崎裕香、岩崎征実、屋良有作といった実力者揃い。主題歌には元ちとせのインディーズ時代の作品である「竜宮の使い」が採用されている。
舞台挨拶では、石原夏織の「明嶋こよみ役の石原夏織、高校2年生の16歳です」という自己紹介を受けて、宮野真守が「明嶋大志役の宮野真守、26歳です」と続くと、粟津監督も「監督の粟津順です。……36歳です」と、思わぬ年齢トークからスタート。前作『惑星大怪獣ネガドン』とはちがい、今回は最初から劇場公開を意識して制作したという粟津監督は、今回の完成披露試写会で大スクリーンに映し出された映像を見て、「すばらしいです。うれしいですね」と喜ぶを素直に表す。
「(収録は)僕自身、本当に楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまった」という宮野は、石原との年齢差が役の上も実際も同じだったことから、「本当の兄妹のような感じで収録できました」と笑顔を見せる。初めての映画で、本格的なアフレコも初めてだったという石原が、「スタジオに入るときに緊張して、どこに座っていいのかもわからなかったのですが、宮野さんが『ここに座りなよ』って言ってくれて、そのおかげで緊張がほぐれました」と収録時のエピソードを語ると、「そういうことをもっとドンドン言ってね」とここでも笑顔の宮野。アフレコに際しては、「絵がすごくリアルで、本当に人が息づいているような感じで動くので、呼吸感を大事にして、絵と違和感のないような生っぽい自然な芝居をみんなで心がけました」(宮野)。
『プランゼット』は"新時代特撮"と銘打たれるCDアニメーションだが、「とても激しくド派手なアクションが印象深いと思いますが、兄妹愛だったり、大志が抱える同僚への想いだったり、そういう人と人との繋がりが根底に流れている作品なので、そういった気持ち、想いが皆さんにも届けばいいなと思っています」と舞台挨拶の最後に宮野が語ったとおり、そのドラマ性も注目の作品。
粟津監督渾身の完全オリジナル作品『プランゼット』は、2010年5月22日より、池袋テアトルダイヤ(東京)、テアトル新宿(東京)、TOHOシネマズ川崎(神奈川)、TOHOシネマズららぽーと横浜(神奈川)、TOHOシネマズ流山おおたかの森(千葉)、フォーラム仙台(宮城)、福山駅前ピカデリー劇場(広島)、テアトル梅田(大阪)ほかにて全国ロードショー。
また、映画の公開に先立ち、CSの日本映画専門チャンネルにて5月5日より前作『惑星大怪獣ネガドン』の放送のほか、特別番組として粟津監督とフジテレビの笠井信輔アナウンサーによる対談番組もオンエアが予定されているので、こちらも注目しておきたい。そのほか詳細は公式サイトをチェックしてほしい。
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