従来品の平型パッケージは「大きくて食べにくい」
「カップ焼そば」といえば、余り高さのない四角い(以下、平型)容器に入ったものを想像するだろう。そんな固定概念を覆すような商品が登場した。エースコックが3月15日に発売した「JANJAN ソース焼そば」(内容量107g うち、麺85g・170円税抜)だ。同商品はハンディタイプのタテ型パッケージを採用。麺への味付けの工夫もあって、好調な売れ行きとなっている。
同商品のパッケージは四角いタテ型で、片手で持つこともできるのが特徴。これまでの平型パッケージでは、「容器が大きくて食べにくい」「人目が気になる」「持ち運びが面倒」といった声があったという。そういった意見に対応したのが、今回のハンディ型スマートパッケージとのことだ。
エースコックマーケティング広告宣伝チームの松山幸裕さんは、「従来のカップ焼そばにはない"持ちやすさ"や"手軽な食べやすさ"を実現しました。湯切りも以前より簡単になりました」と説明する。開発プロジェクトの発足から商品化まで、約2年の歳月を費やして完成した力作だという。
ソースがたっぷり練り込まれた茶色い麺
一新したのはパッケージだけではない。ソースをあらかじめ練りこんだ「ソース練り込み麺」を採用している。同社でも、ソースを麺に練り込んだタイプはすでに発売していたが、従来商品と比べると、麺のソース含有量は約5倍。見た目も茶色の麺に仕上がっている。
「これまでカップ焼そば市場では、一般的に"食べ応え"や"フレーバー"が消費者に重視されてきました。中には胃にもたれる感じの重い味の商品も多く、そういった点が若者の"カップ焼そば離れ"の原因の1つになっていました」と松山さん。
そこで今回は、「よりライトな味わいを工夫し、ポーションも従来よりも少なめにした」という。軽い味わいながら、「ソース練り込み麺」なのでしっかりとした麺の旨味や弾力も感じられる。同社が実施した調査では、80%以上が同商品を「もう一度食べたい」と答えたという。
ちなみに使用するソースは、野菜と果実を濃縮した特製ソース。かやくはシャキシャキ食感のキャベツ、程よく味付けした大きいサイズの肉そぼろとなっている。
CMの振り付けはパパイヤ鈴木さん担当
同社はパッケージ・麺ともに、次世代にフィットするカップ焼そばの新スタンダードを打ち出したわけだが、それに合わせ、CMプロモーションもひとひねりしている。3月14日からスタートした同商品のTVCM「新しいカタチ」篇では、おなじみの「アルプス一万尺」の歌を「シカクイヤキソバ、モテルヤツ! 」とアレンジ。男女がダンスバトルを繰り広げながら商品を奪い合うという内容だ。ダンスの振り付けは多くのヒットCMを手がけたパパイヤ鈴木さんが担当した。
テレビCMより。「アルプス一万尺」をアレンジしている。振り付けはパパイヤ鈴木さん担当 |
年間100万ケースを売ったらヒット商品とされるカップ焼そば市場。同社は今後、同商品を年間140万ケース(1,700万食)販売していく予定だ。ソース味に続く新しいフレーバーも開発中で、同社のヒット商品「スーパーカップ 1.5倍」や「スープはるさめ」に続く人気商品として成長していくことだろう。