"品薄"と分かれば余計ほしくなるのが人間の性

桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」エスビー食品の「ぶっかけ! おかずラー油チョイ辛」。どちらも、フライドガーリックやフライドオニオンなどの"具材"がたっぷりと入っているのが特徴。巷では「食べるラー油」や「具だくさんラー油」と呼ばれ、ラー油ブームを巻き起こしている。

このブームが半端な状態ではなく、どちらもあまりの人気に品薄状態が続いているとのこと。筆者も発売当初は普通に購入できたものの、最近はいろんなところで探しているにもかかわらず、なかなか購入できない状況にある。しかし、「買えない」と分かると、無性にほしくなる。ということで、思い切って自作してみることにした。

目指すはさらに具だくさん、そして豊かな味わい

ラー油をつくったことはある。弊誌でも本格バージョン簡易版の2種類を紹介した。しかし。目指すラー油は、この時のものよりもっと具だくさん。また、今話題のラー油は、アツアツごはんにピッタリだったりと、辛味以外の味わいが豊かであったりもする。

話題のラー油2種を分析してみると、桃屋の商品はフライドガーリックとフライドオニオンが、エスビーの商品はフライドガーリックとアーモンドが具材となっている。フライドガーリックはマストのようだ。残りの具材をどうするかと悩んだ末、フライドオニオン、揚げた松の実と桜海老を使うことにした。

写真奥から時計回りに、フライドオニオン、フライドガーリック、揚げた桜海老、揚げた松の実

フライドガーリックは風味。フライドオニオンは甘み。揚げた松の実は食感のアクセント。アーモンドを使ってもいいのだが、ホールで使っては大きすぎるので砕く必要がある。そこで、程よい大きさでそのまま使える松の実をチョイスしたわけだ。揚げた桜海老は旨味をアップさせるためである。

基本的なつくり方は以前紹介したラー油のつくり方と同じなのだが、材料は、具材が盛りだくさんになった分、若干の引き算もしている。

もっと具だくさん! なラー油のつくり方

材料
A[ゴマ油 150g / 長ネギ 1本 / みかんの皮 1カケ / 八角 1カケ]
フライドガーリック 20g / 玉ネギ 1/2個 / 桜海老 1.5g / 松の実 10g / 七味唐辛子 15g / 山椒 2g / 塩 小さじ1弱 / 砂糖 小さじ1 / カイエンペッパー 少々
  1. 鍋にAの材料全てを入れる。長ネギは斜め切りにしておいたものを使用。弱火にかけ、長ネギがキツネ色になるまで熱していく。油がハネないよう、各材料は十分に水分を拭き取っておくこと。

  2. 粗めのみじん切りにした玉ネギとフライドガーリック、桜海老、松の実をそれぞれカラリと揚げる。火が通る時間が異なるので、それぞれの材料は別々に揚げよう。

  3. ボウルに2と残りの材料全てを入れる。ここに熱々の1を漉しながら、注ぐ。菜箸などで軽く混ぜ、一晩寝かせたら完成。

今回のラー油、重要なのはいかに具材の食感を残すか、ということであった。なので、市販のフライドガーリックも再度揚げて、カリッと感を高めている。今回は生の玉ネギを揚げて使ったが、フライドオニオンで代用してもよい。その際ももちろん、自宅で再度揚げてほしい。

A以外の材料をボウルに入れたところ

手順3、熱々の油を漉しながら入れた後の様子

以前の自家製ラー油の際もみかんの皮は陳皮代わりにつかっているが、やはり今回もはずせない。かすかな清涼感を演出してくれるからだ。この時期であれば、夏みかんでもOK。カイエンペッパーは赤みを出すために今回初めてプラスした。

出来上がったラー油。具材のいろんな食感が楽しい

出来上がったラー油は、一晩おいてもガーリックとオニオンがサックサク。松の実の"カシュッ"とした食感がアクセントになっており、食べていて楽しい。桜海老の食感はあまり感じないが、十分な旨味を出してくれている。

やや甘みがある桃屋、ガーリックの風味が前面に出ているエスビーの商品とは全く異なる味わいだが、我が家では早速、焼いた厚揚げにポン酢とともにかけたり、玉子焼きにかけたりと大活躍。今回の自作ラー油を食べながら、両社の製品が入手できるのを待ちたい(やっぱり本家も食べたい)。