スマートフォンが普及し、iPadのようなタブレットデバイスが登場し始めたことでモバイルデバイスでドキュメントを扱う機会が増えてきた。こうしたデバイスではどこでもドキュメントを閲覧できるものの、直接印刷できるプリンタが限られるという問題がある。これは特に、ウエブプラットフォームを推進し、今年後半にChrome OSをリリースする米Googleにとって大きな課題となっている。そこで同社は15日(現地時間)、プリンタドライバの役割をクラウドサービスに担わせることで、プリンタドライバを備えていないネットデバイスからのプリンタ印刷を可能にする「Google Cloud Print」を発表した。
Google Cloud Printは、ネットデバイスからの印刷リクエストをインターネット経由で「ネットワーク対応プリンタ」「パソコンに接続されたプリンタ」または「クラウドサービス対応プリンタ」に送信し、印刷ステータスをネットデバイスに返す。グループ製品マネージャーのMike Jazayeri氏は「あらゆるデバイスにおいて、動作するすべてのアプリケーション(Web、デスクトップ、モバイル)から、あらゆるプリンターで印刷できるようにするサービス」と説明している。印刷のオプション機能も一部利用できるという。
Google Cloud Printはまだ開発初期段階であり、サービス提供の見通しなどは明らかにされていない。GoogleはオープンソースプロジェクトChromium/ Chromium OSの一部としてGoogle Cloud Printのコードおよびドキュメントを公開し、クラウドベースの印刷のオープン標準プロトコル確立への支援を求めている。