亀井静香金融担当大臣は16日、金融庁の大臣室において、雑誌やインターネット、フリー記者らを対象とした定例の記者会見を開いた。6月に完全施行が予定されている改正資金業法の運用改善策について、「ニーズが千差万別でなかなか難しい」と、その策定の難しさについて述べた。
亀井大臣は、新聞・テレビなどが加盟する金融庁記者クラブでの会見とは別に、雑誌やインターネット、フリー記者ら記者クラブに加盟していない媒体記者らを対象とした記者会見を開いている。
16日の会見では、閣議の報告は特にないとして、記者から質問を受け付けた。無認可共済事業の救済策として、金融庁が14日に示した保険業法改正案に関する質問では、「このままいったら事業が継続できなくなるという悲鳴が昨年から聞こえてきていた。(大塚耕平副大臣と田村謙治政務官)の二人が頑張ってくれて、今国会で(無認可共済を救済する改正案を)やるということになってよかった」と述べた。
郵便局の監視用カメラが撤去される件に関する質問では、「間仕切りをしてお互いに協力して仕事ができないようにし、その上監視カメラの設置をして、郵便局は暗い雰囲気になっている。そういうのはおかしいんじゃないかと齋藤次郎社長にアドバイスした」と、亀井大臣自身が、齋藤社長にアドバイスしたことにより実現したことを明らかにした。
ゆうちょ銀行の資金をマイクロファイナンス(小口金融)として運用する可能性についての質問には、「やりたい、やらなきゃいかんと思うが、実際やるとなるとなかなか難しい分野。世の中のニーズの全部を今の金融機関がフォローしきれていない、今後日本郵政がそれについて一部でも負担できるかという問題で、零細な事業ニーズに対応するという努力を、特に地域社会でしなければならない」とした。
その上で、「(日本郵政がマイクロファイナンスを実現するのは)なかなか難しい。下手をしたら、信用金庫や信用組合と競合するものも出てくる。日本郵政の中で研究しており、この分野も当然視野に入れてフォローしなければいけないという認識はある」と日本郵政サイドで検討していることを示した。
6月に完全施行される改正貸金業法については、「(大塚副大臣らが示した、借り換えによる実質的な返済条件の緩和などを内容とする運用改善策について)それでいいんじゃないか、(連立を組む)各党の意見を聞いて仕上げてくれ、と指示した」と述べた。
続けて、「この(貸金という)世界は難しい。ニーズがあるから貸金業が生まれているが、それをうまく当座の資金としていくならいいけど、多重債務にはまってしまうという実態もある。一方で、短期の事業資金を借りるという面で役立っていて、(ニーズが)混在している」と述べた。
その上で、「ちゃんとしたユーザーができるだけ困らないような運用のやり方はないのか、田村君(金融担当政務官)らが苦労していて、(運用改善策は)大体はそういう方向でいいんじゃないか」と述べたが、「もう一工夫ぐらいは必要か」という記者の再度の質問には、「もう一工夫もニ工夫もいる。(だが)ニーズが千差万別で、そうは言ってもなかなか難しい。この部分は、社会福祉ともある面で接点がある」と、運用改善策の策定の難しさについて言及した。
沖縄県の普天間基地の移設先に関する質問には、「結局この問題は、安全と騒音の問題。(日本の米軍基地の)75%を負担してくれている沖縄の負担をどう実質的に軽減するか、新政権は必死に検討している。5月末には決着すると思う」と強調。
「私はもう、ここまでくれば、とにかく総理の考えている、"これをしたい"という最終案を出したほうがいいと思う。安全と騒音の問題は米軍にも責任がある。日本には日本の事情、沖縄には沖縄の事情がある。マスコミが言う『アメリカの言うとおりにしなければ日米関係がおかしくなる』というのはおかしいと思う」と持論を展開していた。