ギリシャ短期国債の入札結果、独メルケル首相は「成功」と見解

FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。米企業業績の内容とソブリン・リスクを中心に、本日も欧米市場が動くだろう。米主要企業の決算発表が月曜日より本格的に始まったが、予想を下回ったアルコア(AA.N)とは対照的に、米半導体大手インテル(INTC.O)は売上高、1株利益共に市場予想を上回った。アジア株式は総じてこの結果を好感し、ハイテク株中心に寄り付きから強気の姿勢が見られた。このため欧州株式でも同じ展開になるか注目したいところ。

ただ、WTIが供給過剰観測から5日連続で続落していること、本日は米大手銀行JPモルガン(JPM.N)の決算を控えていることを考えると、エネルギー株や銀行株で引き続き警戒感の強い状況になることも考えられる。

また、注目されたギリシャ短期国債の入札結果だが、従来6億ユーロの予定が7.8億ユーロとなり、一応はEUとIMF救済合意が好感されたかたちとなった。

ただ、金利は26週物が4.55%(前回2.20%)、52周物が4.85%(前回1.38%)と上昇していることから、市場での先行き不安感は完全に払拭されていない。

この入札結果に関し、鍵を握るドイツのメルケル首相は、『今回の短期入札は成功した。未だ緊急支援の必要性はないのでは』との見解を示した。

株式が大きく振れる可能性も、最後まで"気の抜けない"一日に

アジアンタイムのユーロの状況を見ると、米株の堅調な値動きに加え、ギリシャが初めのハードルを無難に越えたことによる安心感から、対円&ドルでショートカバー優勢の展開となっている。欧州タイムで、ソブリン・リスクに対する新たな材料が出てこなければ、このまま様子見ムードが続くか、NYタイムへ入る前に若干の調整が入り、米株式の動向を見極めながら為替市場は動く可能性がある。

その後NYタイムへ入り、3月の消費者物価指数(CPI)と小売売上高が発表される。

前者のCPIはコア指数(除食品&エネルギー)とともにプラス0.1%との見通し、後者の小売売上高はプラス1.2%、コア指数(除自動車)はプラス0.5%となっている。

13日に発表された公定歩合議事録では、ダラス連銀が公定歩合の引き上げを主張していたことが明らかになっているため、今回の指標結果が市場予想を上回るようなら、市場でも公定歩合引き上げ観測が強まり株式の上値を抑える一方、為替ではドル買いの要因になる可能性があるため注視したい。

また、米大手銀行JPモルガン(JPM.N)の決算が日本時間の20時前後に発表予定となっている。市場では、1Qの1株当利益が0.64ドルと前回の0.40ドルを上回る見通しとなっており、結果如何で、欧米の金融株の動向を左右し、本日の株式の方向性が明確になることも考えられる。

さらに、23:00 にバーナンキFRB議長議会証言、27:00には地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)も発表される。米経済のファンダメンタルズの状況と今後の金融政策変更がどの時点でなされるのかを見極める上で市場の関心も高い。

本日は以上のように売買する材料が多く、株式が大きく振れる可能性がある。そして株式の動向如何で、それに連動している為替や商品市場のリスクトレンドへも波及するシナリオも考えられるため、最後まで"気の抜けない"一日となりそうだ。

米国テク株100種株価指数日足