南アフリカに眠る新種の猿人、その発見に貢献したのは「Google Earth」だった──。Googleの発表によると、ウィットウォーターズランド大学のLee Berger教授は、Google Earthの情報共有や衛星画像を駆使し、190万年前の猿人の骨の発見に至ったという。
南ア・ウィットウォーターズランド大学の研究チームはこのほど、南アフリカの世界遺産「スタークフォンテン、スワートクランズ、クロムドライおよび周辺地域の人類化石遺跡群」から猿人の頭蓋骨など骨の一部を発見した。178万~195万年前のアウストラロピテクス属の新種「アウストラロピテクス・ゼティバ」、ヒト属の身体的特徴と似た部分が多く、直立歩行を行なっていた。
この「最も古い人類の祖先ついて重要な疑問に答える」発見に、Google Earthが貢献したという。Lee Berger教授の研究チームは、研究者間での情報共有を目的に、Google Earthを利用して洞窟や化石産出層の地図を作成。さらに衛星画像を利用した遺跡識別やナビゲーションを活用することで、もっとも調査が進んでいた地域にもかかわらず、約500の洞窟と化石遺跡を発見した。そうした調査で見つかった遺跡の一部から、新種の猿人が発見された。
Googleではこの発見に関し、「Google EarthやGoogle マップのようなフリーのマッピングツールを使って、著名な科学者から子供たちまで、すべての方が自分たちの住む世界を探検したり、なにかを学び続ける機会になっていることを嬉しく思う」とコメントしている。