財務省は8日、2月の国際収支状況(速報)を発表した。貿易収支/サービス収支/所得収支/経常移転収支の4項目から構成される「経常収支」は1兆4,706億円の黒字だった。前年同月比3,358億円(29.6%)の大幅な増加となる。黒字は13カ月連続。

所得収支の黒字幅は縮小したものの、貿易収支の黒字幅が拡大したことなどから、経常収支の黒字幅が拡大した。

貿易収支は7,780億円の黒字。輸出、輸入ともに増加したが、輸出の増加幅が輸入の増加幅を上回った。前年同月比は5,811億円の増加で、黒字額は約4倍に増えた。輸出は4兆8,655億円で同1兆5627億円(47.3%)の増加。輸入は4兆874億円で、同9,816億円(31.6%)の増加。

サービス収支は847億円の赤字。前年同月比では430億円の増加(赤字幅縮小)となっている。「その他サービス」の黒字幅が縮小したものの、「輸送」および「旅行」の赤字幅が縮小したことから、赤字幅は縮小した。

所得収支は8,598億円の黒字。前年同月比では2,447億円(22.2%)の減少で、黒字幅が縮小している。受け取りの減少幅が支払いの減少幅を上回った。

財務省国際局の担当者は「1月はアジア向けなどの輸出が好調だったが、2月はアメリカ、EU向けなどほかの地域向けの輸出も伸びている。ただ前年が金融危機の影響で落ち込んでいた時期にあたるため、数字上は伸びているものの、向上しているのか戻ってきているというのかは判断が難しいところ」と話している。