亀井静香金融担当大臣は6日、金融庁の大臣室において、雑誌やインターネット、フリー記者らを対象とした定例の"第2"記者会見を開いた。財政・金融政策について、「日銀の金融政策だけでは限界がある。産業振興(策)をもっと思い切ってやらなければならない」などと話した。

記者からの質問に答える、亀井静香金融担当大臣

亀井大臣は、新聞・テレビなどが加盟する金融庁記者クラブでの会見とは別に、雑誌やインターネット、フリー記者ら記者クラブに加盟していない媒体記者らを対象とした第2記者会見を開いている。

6日の会見には、約20人の記者・カメラマンが金融庁の庁議室に午前10時20分までに集合。亀井大臣は、国会(衆議院)の財務金融委員会で、自民党の小泉進次郎議員からの質問への答弁などを終えた後、10時40分ごろ、大臣室に到着した。

亀井大臣はソファーの席に座った後、この日の閣議について、「特に報告することはない」とした上で、記者からの質問を募った。

共済関係の団体と先週に懇談したことについての質問では、「小さな共済組合が存続できなくなるなど、現実のいろんな問題が出てきている。組織単位でお互いに助け合っているようなことが、できなくなるのはいいことではない」とした上で、「オレンジ共済で加入者が食い物にされたこともあり、そういうことが起きては困る。加入者がきちんと保護される形で、小さな共済(組合)でも存続できるよう、(法案を)検討してもらっている」と述べた。

郵政関係では、公社時代には運用計画を公開していたゆうちょ銀行について、今後運用計画を公開することはあるかについての質問があった。これに関し、亀井大臣は、「公社時代は公的機関だが、現在は民間会社であり、運用計画など全部をオープンにさせるというのは無理があるのではないか」と回答した。

亀井大臣は、時には身振り手振りを交えながら、記者からの質問に回答してくれた

また、金融政策全般に関し、あらためて亀井大臣の方針を聞く質問もあった。これに対し亀井大臣は、「国全体においても地域においても、本来の金融機関の役割を果たさなくなってきている。日銀から低金利の金をじゃぶじゃぶ借りて、外国で高い金利で稼いでいると言われても仕方のないような、そんな状況が起きている。デフレギャップを解消していくのに、日銀の金融政策だけでは限度がある」と、現状を指摘。

さらに、「あふれている金が産業のために使われていない。金融機関がもっと社会的責任を考えて、国内の産業育成をしていくために自分達が責任があるんだと(考えてほしい)。それは中小(金融機関)もメガ(バンク)も同じ」と、金融機関の社会的責任について述べた。その上で、「企業が設備投資のためにどんどん借りてどんどん仕事をやるための呼び水を作ったり、あるいは、政府自身の財政出動で(需要創造を)やっていく、そういうことをもっと思い切ってやらなければいけない」と強調した。

「金がだぶつくだけではデフレは解消されない。トータルとして深刻な状況が今の日本にはある」と懸念を表明した。

自民党に離党届を提出した与謝野馨・元財務相や、平沼赳夫・元経済産業相らによる新党に関しては、「自民党を助けるというんだけど、比例区に候補を立てたりするなど自民党の足を引っ張りながら、民主党政権を倒すと言う。政治力学の面で、さっぱり分からない」と、与謝野氏らの行動に疑問を呈していた。