スタンダード&プアーズは1日、米保険持ち株会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の長期・短期カウンターパーティ格付け(A-/A-1)を据え置いた。アウトルックは引き続き「ネガティブ」。

AIG傘下の保険グループである米チャーティス(損保事業)とサンアメリカ(生保事業)に含まれる保険事業子会社の保険財務力格付けとカウンターパーティ格付けも、すべて据え置いた。

AIGのカウンターパーティ格付けは、(1)米国の金融システムにとってきわめて重要な金融機関としてのAIGの地位にもとづく米国政府からの特別支援、(2)「シングルAプラス」に格付けされた同社の総合保険事業を展開する子会社群に対するスタンダード&プアーズの見方、の2点を反映している。スタンダード&プアーズでは、「AIGがストレス下にある間、政府支援が継続される」とみている。

AIGの長期カウンターパーティ格付けは、現在提供されている政府による特別支援を加味して、スタンドアローン信用力評価(AIG自身の信用力評価)である「ダブルB」から5ノッチ(段階)引き上げられている。「政府による支援の増額を、現時点では想定していない」(スタンダード&プアーズ)。

スタンダード&プアーズは、AIGのスタンドアローン評価を「ダブルBマイナス」から「ダブルB」に引き上げた。これは、(1)チャーティスとサンアメリカの保険事業を通じて、総合保険会社としての市場におけるプレゼンスを再確立しつつある、(2)AIGファイナンシャル・プロダクツの事業縮小が順調に進んでいる、(3)非保険事業の流動性が改善した、の3点が主な理由。

また、AIGが最近発表したアメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)とアメリカン・ライフ・インシュアランス(アリコ)の売却の合意は、「事業再編計画が着実に進展していることを表している」(スタンダード&プアーズ)としている。