3月26日と27日の両日、ワコム主催のイベント「デジタルイラストフェスタ Wacom Live 2010」が都内にて開催された。このイベントでは、ワコムのペンタブレットを使って活躍中のアニメーター、イラストレーターなど迎えてのトークセッションが開催された。また、前日に発売が開始されたばかりの液晶タブレットのフラッグシップモデル「New Cintiq21UX」を始めとしたタブレット製品の他、ソフトウェアやプリンタなど、イラスト・マンガ・アニメーション制作に関連した製品が展示され、多くの参加者が実際に触れて体験していた。

会場には多くの参加者が訪れ、展示された製品に触れていた

タブレットの最新製品を展示

ワコム製品の展示エリアでは、3月26日に発売されたばかりの液晶タブレット「New Cintiq21UX」や、無線タイプの「Intuos4 Wireless」を始めとした「Intuos4」シリーズが展示され、来場者が自由に触れて操作していた。

Intuos4テクノロジ搭載で、微妙なニュアンスも感知する筆圧表現が可能になったNew Cintiq21UX。ファンクションキーや裏面に配されたトラックパッドなど、フレーム周りもすっきりしている。また、機能切り替えボタンをクリックした際、画面上に半透明でメニューが表示されるよう、ドライバが改良されている。現在「Intuos3」を使用しているというユーザーからは、「筆圧の感度がとても精密」、「描いていて楽しい」という感想を聞くことができた。

無線タイプのIntuos4 Wireless。接続はBluetooth、電源に内蔵バッテリーを使用することでワイヤレス化を実現している。USBケーブルが1本くらい増えても問題ないのでは……とも思うが、なくなった状態を見るとそのスッキリさに納得。

2台展示されたNew Cintiq21UXの前には常に人が並んでいた。気持ちよさそうに大作を仕上げていく人も

ケーブルを完全になくしたタブレットの実現は、同社の技術的な目標のひとつだったという

新しいチップセンサーを搭載し、限りなく軽いON荷重を実現しているIntuos4シリーズ。6号くらいの丸筆を面相筆代わりに使うような、"筆の重さ"で描くタッチも再現される

クリエイターをサポートする様々な製品も

「COMIC STUDIO」、「ILLUST STUDIO」などの製品を展示していたセルシス。「RETAS STUDIO」はデジタルアニメーション制作ツールのスイート製品で、もともとプロ向けに提供されていた製品を個人向けにしたパッケージ。デジタル作画をする「STYLOUS」やスキャン・トレースをする「TRACEMAN」などが含まれる。

多くのTVアニメ制作で使用されている彩色ツールの「PAINTMAN」。動画の色トレース線を含めて着色する「自動色トレース」など、作業を効率化する機能を搭載

コニカミノルタが展示したのは小型のレーザープリンタ「magicolor 1600」シリーズ。ビジネスで多く使用されているレーザーだが、こちらは小型軽量でPS(ポストスクリプト)対応ながら市場価格4万円前後と、個人ユースも可能な価格帯。デジタルイラストの出力サンプルでは印影や質感など豊かな表現力をアピールしていた。

ドライバの自動面付け機能でフルカラーの小冊子も簡単に印刷が可能。120g/m2程度までの厚紙も使用できる

様々なカラーマネジメント製品を扱うエックスライトは、グラフィックソフト用のカラープロファイルを作る「colormunki」を展示。カラーチャートや印刷物などから色を測定し、「Photoshop」などに読み込めるカラーパレットデータを作成。これを共有することで、複数の環境間で正確に同じカラーを使った作業を行うことが可能だ。

分光測定器とソフトウェアのパッケージ製品。カラーチャートから色を選んでカラーパレットデータを作れるiPhoneアプリも販売中

タブレットユーザーにお馴染みの「Painter」を販売するコーレル。ダウンロード版で販売されているスケッチ用ソフト「Painter Sketch Pad」は、スケッチブックのようにページを追加しながら手軽に描くことができる。下書きをSketch Padで行い、データを書き出してペインターなど他のソフトで仕上げを行うことも可能。

シンプルなインタフェースで直感的に使用できる。メモ帳やホワイトボード代わりに使っているユーザーもいるそうだ

このように、「Wacom Live 2010」ではワコム製品だけでなく、ペンタブレットに関わりの深い様々な製品を見ることができた。ワコムユーザーであるクリエイターを迎えてのトークセッションなどの模様は、追って掲載する予定だ。