次期iPhoneへの搭載が噂される「iPhone OS 4.0」について、マルチタスク採用の憶測が広まっている。以前、AppleInsiderが同件に詳しい人物の話として、Appleがマルチタスク採用に必要な専用マネージャを開発したというニュースを紹介した(「Apple、iPhone OS 4.0でマルチタスク導入を準備か - 米報道」)。同誌の最新の報道によれば、このマルチタスクマネージャはMac OS Xで採用されているExposeに酷似したものになるという。
現行のiPhone OS 3.xにおいて、一部のApple製アプリを除いて、基本的に同時に動かせるアプリは1つまでに限定されている。IM(メッセンジャ)などのアプリであっても常駐できないため、利用にあっては「Notification」と呼ばれるプッシュ型の通知でアプリの起動を促す方式がとられている。
Appleがこのようなスタイルを堅持する理由について、常駐アプリの許可によるウイルスなどのセキュリティ上の問題の他、バッテリ消費量のアップ、そして操作の煩雑性が挙げられる。実際、JailbreakしたiPhoneではマルチタスクが可能になるが、セキュリティ上の問題があったり、バッテリ消費が一気に上昇するといった問題が報告されている。
そして最大の問題が操作の煩雑性だ。ユーザーに現在どのアプリが起動していて、それらをスムーズに切り替える方法を提示しなければならない。実際、マルチタスクが可能なAndroidやWindows MobileではPCライクなプロセスマネージャが付属しており、これでユーザーが現在動作中のプロセスを確認したり、必要に応じてシャットダウンする必要がある。
AppleInsiderが3月中旬に報じたのは、このマルチタスク採用のための管理ツールをAppleが開発したという話であり、今回はより具体的にその内容を紹介したものとなる。同誌によれば、この管理ツールがExposeの画面に酷似しており、視覚的に現在動作中のアプリが把握できるようになっているという。呼び出し方はホームボタンをダブルクリックするだけで、現在動作中のアプリのアイコンが一覧表示され、特定のアイコンを選択するとそのアプリに自動的に切り替わり、Exposeライクな管理ツールの画面がズームアウトするといった動作形態になる。