全米のApple Store店舗に掲示され始めた、4月3日のiPad販売予告。だが店員は当日の販売形態などについて、何ひとつ知らされていない

噂のデバイスに誰よりも早く触れたいと考えるユーザーは多い。以前に、iPadのローンチ前にApple Retail Storeのスタッフらが研修で同デバイスに触れることができるという噂を紹介したが、噂は噂でしかなかったようだ。英Reutersの3月30日(米国時間)の報道によれば、iPadにおける秘密主義はApple Storeスタッフも例外ではなく、いまだ触れるどころか見たことさえない状態だという。

Apple Storeスタッフは雇用契約上、業務情報を口外できないため匿名でのコメントになるが、「いままでiPadに触れたことはないし、見たことさえない。自分の知っている従業員は全員その状態だ」とReutersが関係者のコメントを伝えている。これは末端のアルバイトスタッフだけでなく、Genius Barの技術スタッフのような上級スタッフでさえ例外でないという。

2007年のiPhoneローンチのときも同様で、販売開始直前までスタッフは見ることも触れることもできず、郵送による前日保管が行われた際には、iPhoneの入った梱包ケースのほかにわざわざ別のダミーの箱まで用意され、そちらを厳重に管理するようスタッフに通知が出ていたほどだという。iPhone本体は、それとは別にマネージャーの管理事務所できちんと保管されていたようだ。

Apple Storeのスタッフだからといって、特別な機会を与えられているわけではないのだ。とはいえ、末端のスタッフで時給10ドル、Genius Barスタッフクラスで時給30ドルと、報酬としては他の職場と比べても恵まれている。またこれらスタッフにはMacやiPod製品の25%割引特典もあるようで、Appleファンにはやはり悪くない環境のようだ。ただしこの割引制度はiPhoneには適用されず、今回発売が開始されるiPadについては現状で不明とのことだ。