Apple iPad

米Morgan Stanleyが29日(現地時間)に顧客に送付したレポートの中で、4月3日に米Appleが発売を予定しているiPadについて、アジア地域のサプライヤらがその出荷目標を上方修正していることがわかった。米FortuneのBrainstorm Tech Blogが同日に報じている。それによれば、当初2010年内の出荷数予測は500万台強だったが、現時点でiPad部品のサプライヤ各社は800万~1,000万台程度の出荷を見込んでいるという。こうした目標引き上げは、初期需要の強さ(「Apple iPad、オンライン+店舗合わせた1週間の予約累計台数は40万台?」)を反映したものだという。

今回の投資家向けレポートは、Morgan StanleyのKaty Huberty氏がまとめたもの。当初同氏は、6月終了時点での出荷台数を75万台程度と見積もっていたが、iPadサプライヤらは最初の3カ月(3~5月期)で250万台程度の出荷を予測しているという。こうした強気な見通しが、前述のような最大で年間1,000万台という水準へと上方修正に結びついたようだ。

だがサプライヤらが強気な一方で、米ニューヨークの金融街での評価はやや辛口の傾向があるという。サプライヤの予測は"出荷数"ベースだが、Huberty氏自身の"販売数"予測では2010年内に600万台強という水準にとどまる。また金融街内部での統一見解では、販売数で300万~400万台程度になると低めの予測に押さえられている。またAppleがiPadを100万台売るごとに、同社EPS(Earnings Per Share)を0.25ドルほど押し上げることになると同氏は予測する。

AppleはiPadをノートPCにもスマートフォンにも属さない、中間の新カテゴリ製品として売り出そうとしているが、Huberty氏によれば、iPadの見通しに弱気な投資家らの共通見解は「キラーアプリの不足」にあるという。また同氏は、当初Appleが競合することになるのは800ドル前後のノートPC市場で、長期的には書籍、雑誌、ビデオ、iPad向けアプリなどの利用の広まりで市場が拡大していくことになるとみている。

以上が投資家と業者サイドからのiPadに関する最新アップデートだが、4月3日の実際の発売について、さらなる新情報が続々と出てきている。1つはすでにお伝えしたように、iPadの事前注文者向けの出荷が開始されている。フライング入手できる可能性は低いが、発売目前にいろいろ動きつつある様子がうかがえる。また次回出荷日が4月3日以降に設定されており、現在予約注文を行ってもすでに3日の発売開始日には入手不可能となっており、初期在庫がすでに捌けた可能性が高い。

一方で、現時点で予約していない人々らが3日に入手する方法がないわけではない。AppleではApple Storeや正規リテイラー経由のほか、家電量販店大手のBest BuyでのiPad販売も予定している。予約者のみが対象となるApple Retail Store取り置きや配送に対し、これら店舗では当日販売が行われる可能性が高い。ただしUbergizmoによれば、Best Buyの1店舗あたりのiPad在庫数は15台程度とみられ、行列をかいくぐって見事ゲットするのも至難の業のようだ。追加の15台がさらに4月11日以降にBest Buy各店舗にまわされるという話もあるが、これからの入手を検討しているという方々の健闘を祈りたい。