米Googleは3月30日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」のDevチャンネルを通じて、Adobe Flash Playerプラグインを統合した開発者/テスター向けプレビュー版をリリースした。Windows版およびMac版はv5.0.360.4、Linux版はv5.0.360.5。統合されているFlash Playerはv10.1.51.95だ。
今日のWebブラウザ用プラグインは定義が大まかで、WebブラウザやOSによって利用できる機能やパフォーマンスが異なる。Googleはすべてのブラウザで等しく動作するブラウザプラグイン・モデルを目指し、互換性の向上、パフォーマンスやセキュリティの強化を実現する次世代のプラグインAPIづくりをAdobeやMozillaと共に後押ししている。今回のAdobeとのコラボレーションによるFlash Playerプラグインを統合したChromeの開発者向けリリースは、まずFlashにおいて新たなプラグインの利用体験を提供するものになる。
Flash Player統合版のChromeでは、Flash Playerを別にインストールする必要はない。コマンドラインに「--enable-internal-flash」を加えると、内蔵のFlash Playerが利用可能になる。Chromeの自動アップデート機能を通じて、Flash Playerも最新版にアップデートされる。将来的にChromeのSandbox機能をFlashコンテンツにも拡張する計画があるという。なお最新のDevチャンネル版では、シンプルなプラグイン・マネージャーも用意されている。about:pluginsページから、すべてのWebページにおいてロードされるプラグインを無効化できる。
GoogleはHTML5への移行に積極的だが、Flashやプラグイン・モデルを否定しているわけではない。「既存のブラウザプラグイン・モデルを改良すれば、HTMLおよびJavaScriptエンジンと同等の動作、安定性、セキュリティがプラグインでも可能になる。これによりレンダリングやスクリプティングにおいて、HTML、Flash、その他のプラグインがよりシームレスに動作するようになる。HTMLとプラグインの両方で革新が促され、開発者そしてユーザーのWeb体験の向上につながる」とエンジニアリング担当バイスプレジデントのLinus Upson氏。