ヒートアップが噂される米Appleと米Googleの昨今の競合関係だが、Appleではモバイル業界に進出しつつあるGoogleに対抗して「iAd」と呼ばれる新広告プラットフォームの立ち上げを計画しているという。Online Media Dailyが報じている。
4月3日にiPad発売を控えるAppleだが、同社の「Next Big Thing」となるのがこの「iAd」かもしれない。Online Media Dailyが関係者の話として伝えるところによれば、iAdはパーソナライズ機能を備えたモバイル広告プラットフォームで、同社が1月に2億7,500万ドルで買収したという米Quattro Wirelessのシステム上に構築されているという(「米Appleが携帯向け広告企業買収を発表か - GoogleのAdMob買収に対抗」)。4月7日にも正式デビューする見込みのようだ。
"Madison Avenue"とも呼ばれてきた米広告業界は(米ニューヨークのマディソン街は100年あまりにわたって広告会社の集積地として知られている)、昨今の不況や新聞/出版業界の斜陽化によって苦戦を強いられ続けているが、急成長中のモバイル広告は次なるフロンティアとみられつつある。Googleがたびたびモバイルへの注力を表明しているのもこうした理由によるものだ。
InterpublicのMagna部門によれば、モバイル広告市場は2010年の3億3,100万ドルから、2011年には約24%増の4億900万ドルに達するという。また同市場の特徴として群雄割拠の様相を呈しており、各社各様に広告プラットフォームが乱立している状態だ。だがこうした中、AppleはすでにApp Storeの存在で業界の注目を集めており、これを利用した広告プラットフォーム推進が可能だという見方が広がっている。この点で、先行するGoogleらのライバルとどのように渡り合っていくかが注目だろう。