マルチコアCPUが搭載されたPCなら最低買取価格は5,000円

実際、引き取り不能とする業者が多いと思われる割れた液晶や水没したPCでも、いっとくでは引き取る。しかも無料引き取りではなく、買い取ってくれるのが魅力だ。

「Pentium 4搭載のノートPCで2,000円程度です。マルチコアCPUが搭載された製品なら、動かなくても5,000円から1万円は出せます。割れていない液晶ディスプレイは、たとえ表示できなくても15インチで300円、17インチで500円程度でしょうか」と、永野間氏は買い取り価格を明かす。

しかもこれらの料金は、詳細に調べた上で算出されるのではなく、製品種別と最低限の状態を確認しただけで決めてもらえるから、持ち込みの依頼も気軽に行える。

「ケーブル類は内部の銅線に価値がありますし、エアコンは希少金属の固まりです。プリンタのインクなどは社内で再利用しています。消耗品を買ったことはないですし、従業員はどんどん詳しくなって、古いパーツを組み合わせて使えるPCを作り、仕事に使ったりもしていますよ」と永野間氏は無駄のなさをアピールした。

ケーブル類やマウスなど、ゴミに見えても立派な資源となる

東京都八王子市の店舗。宅配で送付するほか、店舗への持ち込みも可能

個人から法人へ需要拡大を目指す

「PCリサイクルマーク」の添付された製品が増えた今、個人ユーザーからの需要は徐々に減ると予測される。しかし無料で処理するだけでなく、少しでも買い取ってもらえればと考える人は少なくないだろう。また、ネットブックの登場などでPCの低価格化が進んでおり、費用をかけて修理するよりも買い換えて済ませようというユーザーが増えることも予想される。

「メーカーでのリサイクルが浸透すれば、リサイクルビジネスは縮小するでしょう。しかし、故障したPCの買い取りサービスに限定すると、今後はニーズが伸びると考えています」と永野間氏は語る。

また、いっとくでは個人利用を入口にして、法人利用を伸ばそうという展望がある。「最初から法人での利用は難しいかもしれませんが、おこずかい稼ぎを目的に個人で利用した方が当社のサービスに満足して、職場でも利用しようというきっかけになればと思っています」という同氏は、ターゲットを絞ったサイト展開でより多くの人へのサービス認知を図っている。

現在、最も集客力を発揮しているのは女性ユーザー向けに作られたWebサイト「ごみパソ」だが、今後は法人向けの情報を発信するWebサイトも強化する予定だ。

HDDの破壊廃棄などセキュリティ需要にも対応

個人向けサイト「ごみパソ」ではわかりやすさと親しみやすさを追求している

「企業でPCや周辺機器を一括処分する際に、処分のためのコストがかかるのと、いくらかでも買い取り金が入るのとでは大きな違いがあります。PCや関連機器の処分が利益を生む機会と認識されるようになってほしいですね。処分証明書の発行など、企業が必要とする契約にも対応可能です」と同氏は語る。

今や、PCを利用してない企業は皆無といってよく、使わなくなったPCや周辺機器の処分に困っているケースも少なくないだろう。台数によってはその保管場所のコストも小さくない。不要になったPCや周辺機器をいっとくに持ち込めば、とりあえず無料で引き取ってくれるので、損をすることはない。

本来はリサイクルできず、他社であれば引き取りを拒まれるものも、同社では引き取ってくれるので、依頼側としては処分の手間が省ける。不況下でコスト削減と利益拡大を強いられる企業にとって、いっとくのような業者の利用は活路を見いだす方法になりそうだ。