米Amazon.comは3月22日(現地時間)、「Kindle Apps for Tablet Computers (including the iPad)」という、iPadを含むタブレットデバイス向けのKindleアプリの情報を提供するWebページを用意した。同社は「Kindle」「Kindle DX」というタブレット型の電子書籍リーダーを提供しているが、Amazonで販売しているKindle形式(AZW)の電子書籍をKindleデバイスに制限することなく、幅広いタブレットデバイスに対応させる。
Amazonはタブレットデバイス向けに、タブレットの画面サイズで読みやすいようにKindleアプリのユーザーインターフェイスを再設計した。デバイスのグラフィックス機能や処理性能を活かし、ぺージをめくるアニメーションなど実際の本を読むような読書体験を実現するという。またシンプルな動作のベーシックリーディング・モードも用意する。オプションで、フォント・サイズや背景色、ディスプレイの輝度などをカスタマイズ可能だ。
"タブレットデバイス向けKindleアプリ"となっているが、現時点でAmazonがアプリ開発を明らかにしているタブレットデバイスはAppleのiPadのみであり、現在タブレット向けアプリのページで説明されている機能はすべてKindleのiPadアプリに搭載される可能性が高い。
ユーザーはAmazon.comのKindle Storeから購入したKindle形式の書籍を、オンラインライブラリからKindleデバイス、PC/ Mac、タブレット、iPhone/ iPod touch、BlackBerry端末などに転送する。Whispersync技術を通じて、読み進めたページ、しおり、メモ、ハイライトなどが、Kindleブックを転送したすべてのKindle対応デバイスに同期される。
New York TimesによるとAmazonだけではなく、米書店チェーン大手Barnes & Nobleも電子書籍ストア「Barnes & Noble.com」と連係するiPadアプリを開発中だという。どちらも、すでにアプリをリリースできるような段階まで開発を進めているが、現時点でAppleはiPadの実機配布をNew York Times、Wall Street Journal、Major League Baseballなどごく一部に制限している。AmazonとBarnes & Nobleは、4月3日のiPad米国発売後に実機テストを行ってからiPadアプリを公開する計画だという。