台湾のHTCは、2日(米国時間)の米Appleによる特許侵害訴訟表明以来守っていた沈黙を打ち破り、公式にAppleに対して反論を行った。またNew York Timesの報道によれば、Googleの協力を得てAppleへの反訴を予定しているという。

2日にAppleによって起こされた訴訟では、スマートフォンにおけるマルチタッチUIやソフトウェア技術、ハードウェアの構造に関する技術などの特許侵害がうたわれており、徐々に増え続けるAndroid携帯への牽制としてHTCをターゲットにしたことが指摘されていた。Androidに最もコミットしているメーカーの1つであるHTCをターゲットにすることはある意味で理にかなっているが、本当の狙いはその背後にいる「Google」であることはほぼ周知の事実だ。

今回のHTCの主張によれば、同社は特許といった知的所有権(IP)の保護や他の技術メーカーの尊敬を強く訴える一方で、ユーザーに対する"最上の経験"提供のための健全な競争が必要だとしており、Appleの行動に対する自衛を全力を持って行っていくという。また1997年の設立以来、2002年には同社初のタッチスクリーン端末「XDA」「T-Mobile Pocket PC Phone Edition」を、また2007年6月にはジェスチャー機能を導入したスマートフォンを発売、2008年10月には世界初のAndroid端末を市場に投入しているとする。これら主張には、タッチUIの先駆者はiPhoneではないという意味合いも含まれている。

なおNew York Timesの18日付けの報道によれば、Appleの訴訟に対抗すべく、HTC側もGoogleなどのパートナー企業の協力を得てAppleへの反訴を計画しているという。Google側でもAppleの訴訟に対して公式声明を出しており、Androidデバイスの世界での利用の広まりについて言及している。それによれば、現在世界49カ国で60のキャリアが26種類のデバイスをリリースしており、1日あたりの出荷台数は60,000台に上るという。なおほんの数カ月前には1日あたり30,000台の販売ペースであり、それが短期間で倍増したことになる。