18日(現地時間)よりスイス・バーゼルにて開催されている「BASELWORLD 2010」にて、「スイス勢とは正反対の立ち位置で勝負していく」と明言したカシオ計算機。「伝統」ではなく「進化」を強みに、という変わらぬ姿勢でユニークな商品を生み出し続けている同社の展示ブースでは、「Faces of the Future」をテーマとして、独自のエレクトロニクス技術により実現させた斬新なフェイスデザインの腕時計をアピールしていた。
まず、同社がG-SHOCKと並ぶ世界戦略ブランドとして位置づける、メタルアナログウオッチ「EDIFICE(エディフィス)」では、海外向けの新モデルが展示されていた。日本には2009年に投入されたEDIFICEの特徴は「Advance. Dynamism.」をコンセプトとした、モータースポーツの躍動感を表現するフェイスデザイン。上下2枚のダイヤルの上側を切り取ることで立体感を演出した3D文字板が特徴の「EQW-M1000」の進化形ともいえる新作「EQW-M1100」では、アナログモデルながら1/1000秒に対応するストップウオッチを採用したのが大きな特徴(EQW-M1000では1/100秒)。残念ながら、国内投入時期などは未定だが、秒針と9時側の小窓に採用された「ディスク針」の計測時の絶妙なコンビネーションは一見の価値ありだ。
2009年に引き続き、F1チーム「Red Bull Racing team」とのオフィシャルパートナー契約を締結した「EDIFICE」。同チームのドライバー・Sebastian Vettel選手らの限定モデルなども発売予定 |
甲冑をモチーフとし、再結晶ルビーを採用したG-SHOCK最上位モデル「MR-G」の特別仕様モデル「MRG-8100R」、耐遠心重力性能を備える航空コンセプトモデル「GW-3000」、世界6局の電波を受信する「マルチバンド6」搭載モデルの新「GULFMAN」(GW-9110)など、タフネスを追求する"正統派"G-SHOCKがずらりと並ぶ一方で、G-SHOCKコーナー中央でひときわ目立っていたのがカラフルな「Hyper Colors (ハイパーカラーズ)」シリーズをはじめとする遊び心あふれるデザインのG-SHOCKたち。Hyper Colorsシリーズでは、55×51.2×16.9mmという大型のボディに、針や歯車などの細かなパーツを積み上げた文字板を採用。細部までこだわりの仕掛けがあり、目を飽きさせない。
「ユーザーフレンドリーかつ、機能を楽しんでもらえる商品を展開したい」とする同社。昨年に引き続き、G-SHOCKブランドの世界観を伝えるカンファレンスとパーティーの二部構成となるワールドツアー「Shock the world tour」を開催予定だ |
G-SHOCK初の宝石採用モデル「MRG-8100R」。今回は特別仕様モデルで限定50個のみの販売だが、今後の展開にも注目したい |
エアレースなどでの使用にも耐えうるという、航空コンセプトモデル「GW-3000」 |
「Master of G」シリーズより、6月に国内投入予定の錆びに強い「GULFMAN」 |
ビッグフェイスとビビッドなカラーリングが目をひく「Hyper Colors」シリーズ。G-SHOCK MANのフィギュアとセットになった「G-SHOCK MAN BOX」も用意される |
G-SHOCKに負けじと個性的な色使いで目を楽しませてくれるのは、女性向け耐衝撃ウオッチ「Baby-G」。スクエアフェイスが特徴の「CASKET(カスケット)」シリーズの新モデル「BGA-200」は、ターコイズやグリーン、ピンクなどの5色展開。春夏のファッションに合わせれば腕元でしっかり主張してくれる。
また、薄型のソーラー電波ウオッチ「OCEANUS(オシアナス)」では、プレミアムライン「OCEANUS Manta(オシアナス マンタ)」の特別仕様モデル「OCW-S1350PS」、限定モデル「OCW-S1400P」などの新作を発表。文字板の中央部に採用した白蝶貝に高度な加工技術を投入することで、印象的な淡いブルーを表現したOCW-S1400Pに対して、OCW-S1350PSでは光の反射により表情を変える海をモチーフとして、ブルー蒸着を施したベゼルを採用するなど、OCEANUSのテーマカラーである「ブルー」を象徴的に表現したモデルとなっている。ちなみに、OCW-S1400Pの文字板にアクセントカラーとして用いられているオレンジは海から見えるサンセットをイメージしたもの。
方位・圧力・温度センサーなどの高度なセンサー技術を採用したアウトドアウオッチ「PROTREK(プロトレック)」の注目は、やはり最上位モデル「MANASLU」の特別仕様モデル「PRX-2000BT」。夜明け前に空が一瞬真青に染まるブルーモーメントをモチーフとしたという同モデルでは、バンドの中駒にブルーIP処理が施され、見る角度によってブラックボディにブルーがさりげなく輝く。また、3月に発売されたアナログ3針フェイス+液晶表示の「PRW-5000」のフェイスデザインも同社ならでは。7年ぶりに復活したアナログモデルは、秒針が「方位計測」、「高度計測」、「気圧計測」の結果を示すギミックで使う楽しさを与えてくれる。
シックな印象に仕上げたという特別仕様モデル「PRX-2000BT」。方位計測機能、気圧計測機能、高度計測機能、温度計測機能、計時機能などの多彩な機能を誇る |
樹脂バンドとチタンバンドを用意した、アナログ3針フェイス+液晶表示の「PRW-5000」。8,000mを超える山では直感的に見えるアナログモデルが有利な場合があるという |
今回、テーマである「Faces of the Future」を象徴するモデルを通して、ユニークな商品開発への取り組みをアピールするカシオ。独自の技術により、「時計の"顔(表示)"を進化させていきます」という言葉に、今後も新鮮な驚きを与えてくれる製品を期待してやまない。