5月からApple Storeでディスプレイ保護フィルムを購入できなくなる可能性がある。フィルム製品ベンダーにAppleが通告してきたとiLoungeなどが報じている。
Appleは4月末で直営小売店/オンラインストアでのフィルムを用いた製品の販売を終了するという。iPod やiPhone、Macなどのディスプレイを保護するための保護フィルム製品のほか、ディスプレイ保護フィルムが付属するケース、装飾用フィルムなど、スクリーンに貼り付けるすべてのフィルムが対象になるそうだ。
フィルム製品の販売終了についてAppleが明確な理由を説明していないためベンダー側には混乱が見られる。保護フィルムの売れ行き不振が原因ではない。米AppleのオンラインストアではiPodとiPhoneの両方で、Power Supportのアンチグレア・ディスプレイ保護フィルムがケース製品のトップセラーである(3月17日時点)。ディスプレイ保護フィルムは、むしろ人気の高い製品と言える。
考えられる理由の1つは「タッチ操作への影響」だ。例えばAndroid携帯「DROID」を提供するMotorolaは、ディスプレイ保護フィルムによってタッチ操作の反応が減退するというユーザーに対して保護フィルムを使用しないことを勧めている。タッチ操作の感度はユーザーがディスプレイに直接触れるのを想定しており、またDROIDのガラスパネルを備えたディスプレイは保護フィルムを使用しなくても一般的な使用ではキズつきにくいと説明している。しかし、Appleの場合はタッチスクリーン向け製品に限定しているのではない。そもそもApple Store以外のストアから購入できるのだから、Apple Storeでの販売中止はソリューションにならない。人気アクセサリである保護フィルムの販売をAppleがあえて終了する理由が見えてこないから、いま議論が加熱している。
現時点で有力なのは「マーケティング戦略の一環」だ。MacBookシリーズやiMacにガラスパネル、iPhone 3GSやiPadに耐指紋性撥油コーティングを採用するなど、近年Appleは製品全体でスクリーン保護を強化している。それなのにApple Storeでディスプレイ保護フィルムを扱っていては、キズや汚れに強いディスプレイをアピールする同社の方針と矛盾するというわけだ。