撮像素子には、APS-Cサイズ相当の有効1800万画素CMOSを搭載する。従来機EOS Kiss X3の有効1510万画素CMOSに比べて約1.2倍の画素数となり、エントリー向けデジタル一眼レフ機の最高画素数を更新した。
高画素化によるメリットは、画像の解像感が高まったことだ。遠景のディテールまでを精密に描写できるので、細部の再現性を重視する風景写真や、大判プリントを前提にした撮影にはいっそう有利。また、画像のトリミングにも強い。
逆にデメリットは、ファイル容量が増えたことで、PC上でのハンドリングが低下したこと。EOS Kiss X4では、JPEG最高画質データの1枚のファイル容量は、軽いもので4MB、重いもので10MB程度もある。またRAWデータなら1枚で20~30MB程度。現像やレタッチを快適に行うにはハイパワーのPCが欠かせないだろう。
さらに注意したいのは、連写性能が下がったこと。連写のスピード自体は、秒間3.4コマから秒間3.7コマへと高速化したが、連続撮影可能枚数は大幅にダウン。JPEGなら大きな問題はないが、RAWでは約6枚、RAW+JPEGでは約3~4枚でバッファフルになってしまう。たくさんの枚数を連写したい時はJPEGを選ぶのが無難だろう。
感度はISO100~6400に対応。カスタム機能から感度拡張を「する」にセットすれば、最高ISO12800も選択できるようになる。一般的に、高画素化すれば高感度には不利になるが、EOS Kiss X4では高画素化したにもかかわらず、JPEG/RAWともに高感度ノイズはむしろ低減。画像処理やセンサーの進化には感心する。
EOS Kiss X4は、簡単操作&小型ボディの初級機でありながら、中級機に匹敵する画質と動画機能を備えたカメラである。以下の作例では主にキットレンズを使用したが、高性能なレンズを使えば、より高精細な画を引き出せる。それがキヤノンの術中なのかもしれない。