ラジオやインターネットを介してニュースや娯楽コンテンツの配信を行っているNational Public Radio (NPR)は、米AdobeのFlash技術の上顧客の1つだ。音声を通じてコンテンツを配信するという性格上、Webで再生可能なメディアプレイヤーが必要だからだ。
だがFlash依存だったNPRも、iPad発売日の4月3日を境にリニューアルし、Flashを完全排除したサイトに模様替えするというのだ。
同件はWall Street Journal(WSJ)のAll Things DigitalでMediaMemoのコーナーを担当するPeter Kafka氏が報じている。前述のようにNPRのサイトに行くと、まず目に付くのはスピーカーマークとともに出現する音声再生プレイヤーだ。この機能は現状で埋め込みFlashで実現されており、当然ながらiPhoneなどFlash未対応デバイスで接続すると音声を再生できない。iPhoneの場合、こうしたNPRコンテンツを再生する「NPR News」という専用アプリが用意されている。
だが4月3日以降、iPadでこのサイトに接続すると自動的にFlashが排除された専用ページへと誘導され、iPadから直接サイトにアクセスするだけでコンテンツが楽しめるようになる。iPadでは既存のiPhoneアプリも利用できるため、iPadユーザーは2通りの楽しみ方が可能というわけだ。
Kafka氏によれば、同様の試みはWSJのサイトでも計画中だという。iPadでWSJのトップページに接続すると、自動的にiPad用のFlashなしバージョンのページへと誘導されるという。これは普通にページを移動している限りはFlashなしの状態が維持され、その状態での利用が可能だという。