金融庁は12日、国内の預金取扱金融機関の「サブプライムローン関連商品」の保有額について発表した。
これによると、2009年12月末時点での国内の預金取扱金融機関のサブプライムローン関連商品等(※1)の保有額合計は、簿価で3,200億円(評価損益はマイナス100億円)、2007年4月からの累計実現損益はマイナス1兆340億円だった。
※1 サブプライムローンを原資産とするABS及びそうしたABSを原資産に含むCDOなどの金融商品等を指す。なお、投資信託の運用の中で、結果的にサブプライム関連商品への投資が行われているものは含まれていない
内訳は、「大手行等(※2)」のサブプライム関連商品の保有額が、2009年12月末時点での簿価で2,880億円(評価損益はマイナス60億円)、2007年4月からの累計実現損益はマイナス9,460億円。「地域銀行」の保有額が、簿価で200億円(評価損益はマイナス30億円)、2007年4月からの累計実現損益はマイナス540億円。
※2 主要行、農林中央金庫、新生銀行、あおぞら銀行、シティバンク銀行、新たな形態の銀行、外国信託銀行などが含まれている
「協同組織金融機関(※3)」のサブプライム関連商品の保有額は、簿価で120億円、2007年4月からの累計実現損益はマイナス350億円だった。
※3 信金中央金庫を含む信用金庫、全国信用協同組合連合会を含む信用組合、労働金庫連合会を含む労働金庫、信農連、信漁連が含まれている。農業協同組合などは含まれていない。なお、農林中央金庫は大手行等に含まれている
金融庁では、「この他、サブプライムローンと直接係わりのない証券化商品などについても、グローバルな金融市場の混乱の影響が欧米を中心として広範に及んでおり、我が国の一部金融機関において、一定程度の評価損や実現損が発生しているものがある」としている。