テレビ東京×アニプレックスの共同プロジェクト「アニメノチカラ」の第2弾作品として2010年4月よりテレビ東京ほかにて放送開始となるTVアニメ『閃光のナイトレイド』。今回はアフレコ終了後に語られたキャスト陣のメッセージを紹介しよう。

TVアニメ『閃光のナイトレイド』は2010年4月より放送開始


メインキャスト陣が語るTVアニメ『閃光のナイトレイド』

今回の取材には、主人公である三好葵役の吉野裕行のほか、伊波葛役の浪川大輔、鍵谷棗役の星野貴紀、そして本作において声優デビューとなる苑樹雪菜役の生田善子の4人が、自らの演じるキャラクターや作品の魅力などを語ってくれている。


――ご自身が演じるキャラクターについての紹介とその第一印象を教えてください

吉野裕行「三好葵(みよし・あおい)の声をやらせていただいています吉野裕行です。資料にも『非常にリベラルな価値観で』と書かれていますが、まったくその通りだと思いました。この時代の人にしては、物事に対してフランクであるというか、考え方が柔らかいのではないかという印象を受けました。あと、特殊な能力として"サイコキネシス"を、時間制限はありますが、使えるそうです」

浪川大輔「伊波葛(いは・かずら)役をやらせていただいております浪川大輔です。(吉野が演じる)葵君とは対照的に、非常にクールなキャラクターで、堅物のように感じられると思いますし、あまり動揺もせず、ちょっと取っ付き難い感じの印象を受けるのではないかなと思います。能力的には"テレポート"、いわゆる"ジャンパー"みたいな能力があるのですが、葛のキャラクターとしては、あまり使いたがらないですね。その理由は徐々に解明されるのかと思うのですが、あまりその能力に頼るのが好きではなさそうです。"テレポート"にも制限がありまして、1日に3回、視野の範囲内でしか使えない。4回目を使うと一体どうなるのかが、個人的に楽しみなところですが、とっても陽気なキャラクターになったりするのかもしれません(笑)」

生田善子「苑樹雪菜(そのぎ・ゆきな)役をやらせていただきます生田善子です。雪菜はお嬢様的な凛とした、厳かな部分と、ちょっとぼんやりしていて、抜けているといいますか、おっちょこちょいなところがチラチラとありまして、そのギャップを感じています。そんな二面性が可愛いなと私は思います。雪菜の特殊能力は"サイコメトリング"で、物に触れると、その物の記憶を読むことが出来たり、人に触れると、その人の心や記憶が読めたりするという能力があります。集中したいときには花の香りをかぐという特徴があるみたいです」

星野貴紀「鍵谷棗(かぎや・なつめ)役をやらせていただきます星野貴紀です。棗は幼い頃から苑樹家に従者として使え、雪菜とは長年の付き合いなわけですが、その付き合いの中で能力に覚醒したという経緯があるようです。実際の作中でも雪菜とともに行動することが多く、お互いの能力を上手に引き出している良いパートナーだと思っています。キャラクター的には寡黙で、長身痩躯で、農家出ということで、とても近しいものを持って演じさせていただいております(笑)」


――第一話を演じてみての感想をお願いします

吉野「中国語が大変でした。本当にハンパじゃなかったですね。言葉を扱う仕事としては、母国語以外で話すというのはハンパじゃないなと。ちゃんと伝わってくれればいいのですが……。何よりもキャラクターとのズレがあまりなければいいなというのが本音なのですが、いかんせん、喋ったことがございませんので、そこはオンエアを観てみないと僕にもまだわかりません。作品的には、時代が時代ですから、本当に雰囲気のあるものになっていました。第一話なのに、第一話だからこそかもしれませんが、良いテンポで一つの話がまとまっていると思います。第一話を観ていただければ、おそらくどんな感じの物語になるのかというのが、感覚的にわかるのではないかと思います」

浪川「一話を録らせていただいて、何か新しいことに挑戦する作品なのかなっていう印象を受けました。違う言葉でしゃべることは、設定上、どうしても避けられないところではあるのですが、例えばそれが中国語であったり、これから出てくるドイツ語、ロシア語、英語であったりと、やはりこれから、すごくハードルが高くなっていくのではないかと思います。(第一話での)吉野君のセリフの約三分の一は中国語だったので、自分にあの番が来たらどうしようって(笑)。僕はまだ二言、三言しか喋っていないのですが、すごく大きな挑戦になると思います。作品的にも、歴史をベースにしたテイストのものはたくさんあると思いますが、上海の、そしてさらに海外までを含んだテーマというのは、これもまた一つの大きな挑戦なのではないかと思います。すごく大人の雰囲気を感じさせる作品ですが、アクションシーンも多く、そういう面では観やすい部分もあると思います。良い意味で異色と言われる作品になるといいなと思っています」

生田「私はほかの皆さんとはちがって、このアニメでのアフレコが初めてなのではなく、アフレコというものが初めてだったので、自分の番になってマイクへダッシュということも多々あり、すごくテンパって大変でした。今回、外国語のセリフがなかったのにも関わらず、慌てっぱなしだったので、この先外国語が出てきたらどうなるのだろうと……。今はまだ声をあてるのにいっぱいいっぱいになっているので、二話、三話と進むに連れて、もっと成長して、最後までに雪菜という役が、何かしら掴めたらいいなと思っています」

星野「外国語に挑戦というのはもちろんなのですが、この時代のことについて、僕は学生のころにあまりちゃんと勉強していなかった部分もありましたので、作品をやることによって、少しでもお客さんに興味を持っていただいて、その時代のものについて注目していただけたら、もっと世界が広がるのではないかと思います」


――この作品の魅力をひとつ挙げるとしたらどこになると思いますか?

浪川「歴史が……」
星野「超能力スパイアクション!」
浪川「……それですね」
吉野「変わってるじゃん(笑)」
浪川「ひとつの魅力としては、星野君の棗というキャラクターは単なる"遠視"なのではないかというのが気になるところですね(笑)」
吉野「能力ではないと」
浪川「能力なのか、ものすごく目がいいキャラクターなのかというのが……」
吉野「『望遠、透視、暗視が可能』って書いてあるね。目が良過ぎだよ(笑)」
浪川「目がものすごく良いキャラクターなんですよ」
星野「でも近くが見えない(笑)」
吉野「見えなかったもんね(笑)」
浪川「そこはひとつ皆さんにも注目してほしいですね。どうですか? お二人は」
生田「アクションシーンが多いので、とても迫力のあるアニメになるのではないかと思います」
吉野「第一話は確かに多かったですね」
生田「多かったです」
浪川「協力しあっているのも面白いですね。能力をひとりひとりが勝手に使うのではなく、四人でそれぞれの能力を使いあって、助け合いながら、ミッションをクリアしていくといったところは、何か新しい感じです」
星野「得意分野がそれぞれにあって、誰ともかぶっていないのがいいですよね」
浪川「(吉野に向かって)何か締めてくださいよ。待っているんですから(笑)」
吉野「じゃあ、歴史ですね。さっき星野さんもおっしゃっていましたが、この時代ってあまり勉強する機会がないだろうし、僕らももちろんそんなに詳しくはないですから。リアルな歴史に存在したような人物も出てくるということですが、そこに絡めてスパイアクション。僕たちも、その辺は非常に楽しみに思っています。ちょっとカタい作品だと思われる方もいるかもしれませんが、そこはおそらくスパイアクションが飽きさせないようにしてくれるでしょう。あと、逆に知らなかった時代の日本や諸外国との関係を知る、本当にいい機会だと思います。歴史としてだけ真面目に観るのではなく、エンタテインメントの一つの形として、捉えていただければいいのではないかと思います」


――生田さんは今回が初めてのアフレコということですが、今後目指したい役者像などがありましたら教えてください

生田「今までにないタイプの役者さんになりたいと思っています。こういうのが得意という十八番がある役者さんも良いのですが、喜劇的な芝居も、暗くて重い役も、悪役も、そしてヨゴレ役も、何でも選ばずにできる役者さんになりたいと思っています」

――そんな生田さんについて、ほかのお三方はいかがですか?

浪川「声自体もすごく魅力的ですし、一所懸命ですし、見習わなきゃなって思います(笑)」
吉野「どちらかというと僕たちは、彼女より彼女のお母さんのほうが年が近いですから(笑)。若いので、一緒にやっていて、すごいエネルギーを感じますね。そしてハートが強いですよ、非常に。緊張していないもん」
生田「それはいいことなんですかね? すごく図太い神経で……」
星野「ハキハキしていて、すごく元気なんですよ」
吉野「エネルギーがよく持続するなって思います。俺たちがだんだんくたびれていっているときでも、ひとりだけ声が出てますから。これからが楽しみです」
星野「元気が良くて、根が本当にすごく真面目なんだろうなって思います。ひとつひとつのダメ出しにも真摯に応えようとなさっているので、これからにすごい期待の持てる女優さんなのではなかろうかと思います」
吉野「仲良くしておこう(笑)」


――最後に作品を楽しみにしているファンの皆さんへのメッセージをお願いします

星野「春からいよいよ放送が始まります『閃光のナイトレイド』。我々四人、なかなか時代の光が当たらない1930年代の魔都・上海に、スパイですが、光を当てていこうと思いますので、ぜひぜひ活躍を楽しみにしていただければと思っております」

生田「歴史をテーマにしたシリアスなお話なんですけど、アクションあり、ちょこちょことほのぼのしたシーンもありで、すごく楽しめる作品になっていると思います。このアニメとともに、生田も成長していければと思っていますので、どうぞよろしくお願いします」

浪川「よくある"楽しいです"という感じではなく、本当に真剣に、一つのものをみんなで作り上げていくという空気が感じられる作品ですので、皆さんにもぜひ真剣に観ていただきたいと思います。一話見逃すとずっとわからなくなってしまうかもしれませんので、ぜひ一話も見逃さず観ていただきたいです。なので、初日が重要です。4月5日(テレビ東京)、7日(テレビ大阪)、9日(テレビ愛知)、11日(BSジャパン)を、皆さんよろしくお願いします。頑張ります」

吉野「1930年代の上海という時代がリアルに描かれている中での"超能力スパイアクション"。本当に一話見逃すとわかりづらいかもしれないと思うのですが、僕たちもまだ、どんな話になっていくのかわかっていないんですよ。毎回毎回ミッションをこなしていくことになると思うのですが、本当の目的は何なのかはまだわかりません。何のために集められたのか? 何のための桜井機関なのか? そして桜井機関って何なのか? そういったことはいずれ語られるでしょうから、もちろん見逃さずに観ていただきたいのですが、あまり堅苦しく考えないで、やはりアニメーションですから、必ず皆さんが楽しめる部分も盛り込まれているはずなので、気軽に見ていただければうれしく思います。あとは、一緒に勉強しましょう。知らないことを知っていったらいいじゃないですか。僕らもそういった感じですので、カタコトな外国語も勘弁な!」

――ありがとうございました



TVアニメ『閃光のナイトレイド』は2010年4月より、テレビ東京ほかにて放送開始。

TVアニメ『閃光のナイトレイド』放送スケジュール

放送局 放送開始日 放送時間
テレビ東京 2010年4月5日 (月) 毎週月曜日 深夜1時30分~
テレビ大阪 2010年4月9日 (金) 毎週金曜日 深夜2時35分~
テレビ愛知 2010年4月7日 (水) 毎週水曜日 深夜1時58分~
BSジャパン 2010年4月11日 (日) 毎週日曜日 深夜0時05分~
※放送開始日、放送時間は予告なく変更になる場合がある。
■TVアニメ『閃光のナイトレイド』おもなスタッフ
原作・制作 / A-1 Pictures◆監督 / 松本淳◆キャラクター原案 / 上条明峰◆キャラクターデザイン / 佐々木啓悟◆メインライター / 大西信介◆音楽 / 葉加瀬太郎◆音響監督 / 山田稔◆美術監督 / 谷岡善王◆美術設定 / 金平和茂◆メカ・プロップデザイン / 常木志伸◆撮影監督 / 那須信司◆助監督 / ヤマトナオミチ◆色彩設計 / 中島和子◆製作 / 閃光のナイトレイド製作委員会

■TVアニメ『閃光のナイトレイド』おもなキャスト
三好 葵 / 吉野裕行◆伊波 葛 / 浪川大輔◆苑樹雪菜 / 生田善子◆鍵谷 棗 / 星野貴紀
(C)A-1 Pictures/閃光のナイトレイド製作委員会