米カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を構えるAppceleratorは、同社開発プラットフォームの「Titanium 1.0」をリリースしたと発表した。Titaniumはクロスプラットフォーム環境で、HTMLやJavaScriptなどのWeb標準記述言語を使ってスマートフォンやPC向けのネイティブアプリケーション開発が可能。Windows、Mac OS X、Linux向けのアプリケーションのほか、iPhoneやAndroid、さらにiPad向けネイティブアプリが開発できる。
Titaniumの特徴は前述のように、HTML/CSS、そしてスクリプト言語としてJavaScript/PHP/Pythonなどを利用でき、既存のテクニックや知識をそのまま流用できる点が特徴となっている。開発可能なアプリケーションはWindowsやMac OS X、LinuxといったPCプラットフォームのほか、スマートフォン向けアプリの開発も可能。特にスマートフォンにおいては個々の製品ごとに固有の開発環境が存在し、それが開発者にとって敷居の高さとなっていたほか、コスト増加やリリースの遅れにつながる要因になっていた。Titaniumを使うことで、複数のプラットフォーム向けアプリの同時開発が可能になる。Titaniumでは各製品が備えているUI部品にアクセスするためのAPIや、加速度センサやGPSといった製品固有の機能にアクセスする仕組みも提供するため、ほぼ標準のSDKと開発環境を使ったものと同じ機能を持つアプリの開発が可能になっている。
Titaniumの開発環境自体はApache Public License v2によるオープンソース化が行われており、Titanium Communityと呼ばれる標準バージョンは無料でAppceleratorのページからダウンロードが可能。このほか、プロフェッショナルサポートやトレーニング、解析ツールのanalyticsを利用できる有料版が月額料金199ドルで提供される。
Titaniumでのスマートフォン向けアプリ開発には各プラットフォームごとのSDKが必要で、例えばiPhoneであればiPhone OS SDK、AndroidであればAndroid SDKが必要となる。AndroidアプリはWindows、Mac OS X、Linuxのどれでも開発が可能だが、iPhoneアプリについてはMac OS Xのみの対応となる。現状はiPhoneとAndroidのみの対応だが、将来バージョンでBlackBerryのサポートも計画しており、さらにiPadのサポートも表明している。