米Appleは12日(現地時間)、米国での「iPad」先行予約受け付け開始と共に同社のWebサイトのiPadページを更新。スクリーン回転ロック・ボタン、AVIサポート、ePub書籍のiTunesとの同期、3Gプラン管理方法など様々な新情報を追加した。
「ミュート・ボタン」が「スクリーン回転ロック・ボタン」に
既報の通り、iPhoneでは「ミュート」に割り当てられている外部ボタンがiPadでは「スクリーン回転ロック」に変更された。iPhone/ iPod touchではアプリを縦向き表示で使っているときに、寝転んだ状態で横になると表示が横向きに回転してしまう。ロックすれば、こうした不自然な回転を避けられる。
iPadの数少ないハードウエアボタンにスクリーン回転ロックが割り当てられたのは、AppleがiPadを「読む」ためのデバイスとして重視しているからだと考えられる。
iBooks、米国でも標準搭載アプリから除外
米国で提供される電子書籍リーダー「iBooks」は、米国においても標準搭載アプリから外される模様だ。米AppleのiBooksページの書き出しが「App StoreからiBooksアプリを無料でダウンロードしましょう」に変わった。
ほかにも「無料のePubタイトルをiTunesに追加し、iPadのiBooksアプリと同期することが可能です」という説明が追加された。Appleのオンラインブックストア「iBookstore」から購入した電子書籍以外にも、ePub形式で公開されている様々な電子書籍をiBooksで読めそうだ。ただしAdobe Digital Editions DRMを採用したコンテンツにも対応するかは不明。
またAppleユーザーの間ではiBooksが辞書機能を備えるかも議論されていたが、「単語に触れてホールドすると内蔵辞書またはWikipediaを使って調べたり、本全体またはWebから検索できます」となっている。
M-JPEG形式のAVIビデオをサポート
TV/ビデオ機能がMPEG-4およびH.264のビデオのほか、Motion JPEG形式のAVIビデオに対応する。これまでAppleはiPodシリーズやiPhoneシリーズ、iTunesにおいてAVI形式をサポートしていなかった。
タブレット時代のアクセシビリティ機能
アクセシビリティの設定において、モノオーディオの選択が可能。チェックボックスをタップするだけで左右どちらかにオーディオをまとめられる。また画面リーダー機能VoiceOverがジェスチャーに反応し、視覚に障がいを持つ人でもジェスチャーでiPadを操作できる。同機能は21カ国語に対応、iPadに組み込まれているすべてのアプリケーションと連係する。iBooksでは、VoiceOverによる電子書籍の音声読み上げが可能だ。
アクセシビリティは、電子書籍リーダーが教科書として採用される上で重要なポイントになる。米国では今年1月にペイス大学やリード・カレッジなど4つの大学が、アクセシビリティ機能の不備を理由にAmazonの「Kindle DX」を授業に採用せず、また学生に利用を勧めない方針を明らかにした。
3Gサービスプランの管理方法は?
米国における3Gサービスプランの管理方法の詳細も明らかになった。米国においてWi-Fi+3Gモデルのユーザーは、米AT&Tが提供する月額14.99ドル(データ転送250MB/月)と同29.99ドル(データ転送無制限)の2つの3Gプランを利用できる。250MB/月のプランを契約したユーザーは設定のアカウント情報で使用状況を確認可能。使える量の残りが20%および10%を切った時点でアラートが画面に現れる。
出張や旅行などWi-Fiを使えないときだけ3Gプランを契約できる柔軟な仕組みであり、米国と同様の3Gプランが日本でも実現するならば、日常的に3Gサービスを必要としない人でもWi-Fi+3Gモデルを検討する価値がありそうだ。
サードパーティのBluetoothキーボードも利用できる?
日本のアップルのサイトでは、オプションのキーボード入力方法が「iPad Keyboard DockやBluetoothテクノロジー搭載のApple Wireless Keyboard」となっている。だが、米Appleのサイトでは「iPad Keyboard Dock or a wireless keyboard with Bluetooth technology」となっており、サードパーティのBluetoothキーボードが使用できる可能性を指摘する声もある。