恋愛小説を対象とした「第5回 日本ラブストーリー大賞」の受賞作発表会が12日、都内で開催され、同賞の最終選考委員であるモデル兼女優・杏が出席した。

今後読んでみたいラブストーリーについて、「ハッピーエンドになったその後を描いた作品が読んでみたいですね。ずっと幸せな気分に浸っていられるようなものが良いです」と話した杏

今回、大賞を受賞したのは宇木聡史氏の「ルームシェア・ストーリー」。付き合った男全てに浮気をされてきたという恋愛遍歴を持つ斉藤美央は、ヨーロッパアンティーク風の"完璧に素敵な部屋"で、草食系男子の月島陸と5年もの間同居生活を送っている。男女の恋愛感情は一切なかった2人だが、ある日、美央が運命の人を見つけるための手段として陸に"生贄彼氏"になってほしいと頼んだことから、徐々に関係が変わり始める……というもので、最終審査員の1人である漫画家・柴門ふみは「女子の『こんな同居人が欲しい』願望を満たしてくれる作品」と評価している。

小説の審査は初めてという杏は、「違った物語の読み方を学ばせていただきました」と述べ、作品について「とても感情移入できる作品。この世界に入ってみたいと思わせてくれるような場面が沢山あって、この作品が選ばれて嬉しく思っています」と感想を語った。また、杏は今回、表紙のプロデュースも担当しており、「ミルクティーが入ったマグカップみたいな、ホンワカしたイメージの物語なので、柔らかくて暖かい色を基調にしました。また、家具がキーワードになっているので、大きなソファに女性が横になっているイラストになっています」と話した。

受賞作品の作者、宇木氏。「友人からは、『絶対ドッキリやって! 』と言われました。奇跡みたいなこの日が、いつか必然だったと言われるようになるよう頑張りたい」と喜びを語った

記者からは杏自身のラブストーリーについての質問も飛び出したが、杏は笑顔でかわしていた

なお、「日本ラブストーリー大賞」は、宝島社と宝島ワンダーネットが2005年に創設した、プロ・アマ不問の文学賞。作品の時代や小説のジャンルは自由で、ストーリーに恋愛の要素があれば評価の対象となる。大賞賞金は500万円で、大賞作品は宝島社から書籍が出版されるほか、映画化などの検討も行われる。また、今回からはKDDIが協賛しており、宝島ワンダーネットが運営するケータイコミックサイト「ワンダーコミック」のノベル配信コーナーより、au限定でのケータイ配信も行うとのこと。ケータイ版では、書籍とは異なる結末も用意されているとしている。

左から、杏、宇木氏、最終選考委員・石田衣良(作家)、最終選考委員・柴門ふみ(漫画家)。大賞受賞作『ルームシェア・ストーリー』(1,200円)は3月12日発売で、ケータイ配信も同日開始