FXプライムが提供するFXのモバイル取引ツール『PRIMEアプリ』。昨年11月docomo版を、今年2月26日にはSoftBank版のサービスを開始した。さらに春には、au版もスタート予定としている。

FXは常に変動する外国為替をリアルタイムで24時間取引できるのが特徴で、それだけ利益獲得のチャンスも多い。FXユーザーにとって、いつでもどこでもFX取引が行えるモバイルでの環境整備は、今後、必須となってくる。取引だけできるのではなく、資料請求から口座開設、入出金、為替相場の情報収集、取引までの流れを一貫して携帯だけで行えるという、モバイルユーザーの利便性をとことん追求した『PRIMEアプリ』。開発担当者に開発の経緯や特徴について伺った。

情報システム部長の中林卓也氏と情報システム部システム開発課の小川良太氏(写真左から)

未経験者の声から『PRIMEアプリ』が誕生

中林氏

「『携帯しか持っていないけれどFX取引がしたい』というFX取引未経験の方々からご要望が数多く寄せられたことが開発のきっかけでした」と語るのは、同社情報システム部長の中林卓也氏。実際、20代前半の比較的若年層などでは、携帯電話は持っているがPCは持たないという人も多い。そうした人々がFXを始めやすくするために、モバイル対応が必須だと考えた。

また、「お客様には会社員の方が多く、日中、通勤時や仕事の休憩時にはモバイルで、夜は自宅のパソコンで取引する、という方が多く、モバイル取引の割合も徐々に増加しています。」と業務企画部マーケティング課長の平嶋梓氏。現在、同社の顧客で多いのが30代でおよそ40%、次に40代25%、20代15%と続く。そんなメインユーザーの利便性をさらに高めて、PCで取引する環境にいなくてもチャンスを逃さないためのモバイル環境を整えることで、取引高アップにもつながる。

口座開設から取引までPCと同等の内容

小川氏

『PRIMEアプリ』の最大の魅力は、「PCと同等の取引環境が実現していること」と、情報システム部システム開発課の小川良太氏。今まで携帯電話では実現が難しかった操作性や機能をPC向けのツールと同等にまで引き上げているのだ。

資料請求からオンライン口座開設申込み、入出金までも携帯で手続きできるので、PCを保有していないユーザーでも取引環境を簡単に整えられる。PCでの取引をメインにしているユーザーでも、外出先で「すぐに入金したい」といった場合に非常に便利と言える。ネット入金は携帯キャリアごとに多少の違いはあるが、現在6行が対応している。また、夏までにはPCと同様の10行が対応予定としている。

マーケット情報もPC版と同様に充実している。テクニカルデータは、移動平均線や一目均衡表など代表的な6種類のテクニカルチャートを搭載。「通貨ペア、チャート足、テクニカル設定など、自分に合ったチャートにカスタマイズできますし、データの更新頻度も設定でき、最短で3秒おきの自動更新が可能です」(小川氏)。月足は1画面に45本表示され、スクロールすることで過去データを参照でき、過去15年分のデータまで遡ることができるという。直近のデータしか出せない他社のモバイルツールと比べると、圧倒的に有利だ。

一方、ファンダメンタルでは、PCと同様に『MarketWin24』『FX WAVE』を24時間配信している。「全ての画面に随時ニューステロップが流れるので、最新ニュースを見逃しません」(小川氏)。

代表的な6種類のテクニカルチャートを搭載

最新ニュースも見逃さないですむ(画面は『MarketWin24』)

14通貨ペアのリアルタイムレートは、「リスト表示」「6通貨ペア」と「12通貨ペア」でのパネル表示の計3種類の表示方法があり、親指一本で切換え可能。表示する通貨ペアのカスタマイズももちろんできる。

携帯ならではの操作性を実現

取引画面では、成行注文、指値注文、注文訂正・取消のページに分かれ、タブをクリックすると簡単に切り換えできる。さらに、注文レートは数値キーで入力できるのはもとより、十字キーの操作で数字を入力することもできる。また、注文内容の確認画面を表示しない「ワンクリック注文」機能も搭載。「ギリギリまで注文を迷われる方も多く、『間に合わなかった』という事態を避けるため、リアルタイムの情報をすぐにキャッチしていただけるよう、すぐにページを切り替えられることや、親指一本で操作を可能にするなど、スピードにこだわりました」(小川氏)。

ログイン直後に表示されるページも、注文画面やポジション画面など、自分好みの画面に設定できるカスタマイズ機能がある。

さらに、通貨レートのページからすぐ注文画面へ移れるなど、ショートカット機能も便利。例えば、「*」ボタンを押すとヘルプ画面へ、「1」ボタンを押すと自分の口座情報ページへ、「4」ボタンなら検索ページへなど、キー1つで必要な時に必要な画面への切換えが素早くできる。ショートカットキーは画面内に常に表示されているので、内容を覚えていなくてもOK。

「これは携帯の操作性をうまく生かした機能で、手軽さはPC版を超えていると言えるでしょう。起動時間もPCに比べて短いですし、外出先を始め、自宅でテレビを見ながら…、寝る前にベッドで…など、どこでも閲覧や取引ができる、そんなモバイルならではの特徴を最大限に活かしたPCに引けを取らないツールだと思います」(中林氏)。

ショートカット機能を使えば、画面切り替えも簡単

自分好みのホーム画面に設定できるカスタマイズ機能も

まさに、携帯1つあればFXトレーダーになれるのだ。

開発スタートから8カ月でリリース

『PRIMEアプリ』の開発チームは15人の陣営で、うち開発担当は5人。「ゼロから作り込むので、最初は文字の大きさやページの表示、操作方法の設定など意見をまとめるのも大変でした」(小川氏)。2009年3月に開発をスタート。地下鉄や高速道路移動での通信途絶時の検証を行ったり、また携帯電話の機種(約100台!)ごとの操作性や画面表示の検証を行ったりした後に、2009年10月にリリース。8カ月という短期間でサービス開始まで漕ぎつけたという。

「ダウンロード型取引ツールPrimeNavigaterを使用するお客様からの様々なご要望をできる限り反映させました。操作性はもちろんのこと、見た目においても、少しでもより良いものを、と作りました」(小川氏)

au版PRIMEアプリも春にスタート

「docomo、SoftBank に続き、au版は春にスタートします。ぜひ使ってください。今後は、iPhoneやGooglePhoneなどのタッチパネル式携帯電話への対応も検討したいですね」(中林氏)。

ちなみに、無料デモトレードもあるので気軽に試すことができる。無料デモトレードは、登録すれば1カ月間使用できて、何度でも登録し直すことができる。

秀でた操作性、見やすい表示のモバイルソフト『PRIMEアプリ』は、賢いFXトレーダーの強い味方になってくれるだろう。

『PRIMEアプリ』画面(写真をクリックすると拡大画像)