RIMのブース

東京ビッグサイト(江東区有明)にて9日から12日まで開催されたリテールテックJAPAN 2010では、流通業界向けのソリューションが多数出展された。記者は、BlackBerryに対応する各種ソリューションを法人向けに紹介しているリサーチ・イン・モーション(RIM)のブースを取材した。

ブースでは、同社スマートフォン「BlackBerry」とBluetoothの周辺機器(バーコードリーダー、モバイルプリンタなど)を組み合わせて商品管理をするデモなどを行っていた。

担当者に、見積書作成までの流れを簡単に説明してもらった。まず、端末のバーコードリーダー用のアプリを立ち上げると、自動的にバーコードリーダーとのセッションが開始される。バーコードを読み取ると端末側でデータを取得し、即座にディスプレイに商品名・個数・金額が表示された。

バーコードでデータを読み取る様子

アプリケーション側の簡易DBを参照してバーコードデータを商品データへと変換することも可能だが、デモアプリでは企業の商品マスターDBなど、基幹DBへの参照も想定した構成となっていた。この場合、BlackBerryがエンタープライズサーバーへ暗号化された通信でアクセスを行う。こうした作業の後、見積書発行コマンドを送信すれば、システムがPDFで見積書を発行してくれるという流れだった。

モバイルプリンタ(左)により発行された見積書の見本

もちろん、このアプリを請求書や発注書など別の書式作成用に対応させることも可能だ。例えば外周りの営業が商品のバーコード一覧のカタログとモバイルプリンタを持ち歩き、取引先ですぐに発注書を発行するというような使い方も考えられる。BlackBerry端末とエンタープライズサーバーとの連携の部分は、セキュリティの確保も含めて全てRIM側で用意しており、クライアント企業の技術者は自由なJava環境で、アプリをニーズに合わせて拡張することが可能だ。

端末とサーバーとの基本構成(左)と、見積書作成のフローチャート

スマートフォンの法人向けデバイスとしての注目が集まりつつある昨今、一般的に、懸念事項とされているのがセキュリティの問題だ。RIMではそうしたセキュリティ管理も一括して受け持っており、企業がサーバーをひとつ立てるだけで業務に集中できるような環境を整えているという。現在、同社では初期費用をおさえてBlackBerry端末を導入できる特別キャンペーンを実施している。

同キャンペーンは3月1日から31日までと、4月1日から5月31日までの2期間で実施される。BES(BlackBerry Enterprise Server)新規導入キャンペーンではBESのDomino版、もしくはExchange版のサーバーライセンスとCAL(全数分、5 user CAL毎)が無償で提供され、CAL(クライアントアクセスライセンス)追加導入キャンペーンではCAL(全数分、5 user CAL毎)が無償で提供される。申し込みに必要な書類はBlackBerry特別キャンペーン申込書(BlackBerry端末および契約の注文書、または納品書のコピー)、導入後に必要な書類は導入完了通知書。キャンペーンの詳細についての問い合わせは、リサーチ・イン・モーション・ジャパンの法人営業部まで。