スタンダード&プアーズは8日付で、米メットライフの長期格付けと、その子会社に対するほとんどの格付けについて、引き下げ方向での「クレジット・ウォッチ」を継続した。メットライフの短期格付けは「A-2」に据え置き、「クレジット・ウォッチ」を解除した。

これらの格付けは2月3日付で、格下げ方向の「クレジット・ウォッチ」に指定されていた

今回の「クレジット・ウォッチ」継続は、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の子会社で、国際的に生命保険事業を展開するアメリカン・ライフ・インシュアランス(アリコ)をメットライフが買収することで、メットライフとAIGが合意したのを受けたもの。

スタンダード&プアーズでは、「買収は長期的にはメットライフの事業内容と信用力の強化に資すると考えられるものの、多大な統合リスクを伴うとともに、自己資本基盤が現格付けに見合う水準を下回る状態で実施されることになる」とみている。

三井住友海上メットライフ生命保険の保険財務力と長期カウンターパーティ格付け、両格付けのアウトルックは、引き続き「ダブルA/ネガティブ」。同社の格付けには、親グループである三井住友海上と米メットライフの両グループによる支援が織り込まれている。

「三井住友海上メットライフ生命の信用力は最終的には、同社に51%出資(2009年12月末時点)し、同社と同じ日本市場で事業展開している三井住友海上グループの信用力に依拠する」(スタンダード&プアーズ)としている。