Evening Comment

FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。東京市場は、材料不足やSQの週ということもあり、調整の地合いが継続。他のアジア市場も若干上昇するか、最近の過熱感を是正するかといった動きとなっていることから、本日の欧州タイムでも、静かな寄り付きとなりそう。

英FTSE100指数が、終値ベースでリーマン・ショック前の2008年9月2日以来となる水準まで上昇したことから、次のイベントを控えた調整売りが優勢の展開となるかが本日の注目点か。特に、景気動向に敏感な資源系や金融系では好決算も重なり若干過熱感も見られたことから、利益確定売りが出やすい状況と考えられる。ただ、市場のセンチメントは、英FTSEに限らず底堅いため、仮に反落しても、あく抜け感後の上昇に備えた調整の範囲内と考える方が無難か。

また、本日欧州タイムで注目される指標としては、1月の英貿易収支のみ。前回の72.78憶ポンドよりも若干赤字幅が縮小するとの予測だが、市場への影響が軽微と思われる。むしろ市場では、次の売りターゲットは英ポンドと噂されるほど、英財政赤字に対する懸念は強まっている。更に問題を複雑化させているのが6月に控えた英総選挙。野党の保守党は、13年ぶりの政権奪還のために現政権労働党が実施した財政政策での失策を総選挙の争点として挙げている。こういった政権の不安定さも海外投資家の資金が逃避する一因となっている。

また、ユーロ圏全体に目を配れば、財政赤字問題が、ついにユーロ救済基金の創設といったスケールにまで広がってしまったことが注目される。ギリシャ救済に関してでさえ統一見解が未だ見られない中での、こういった提案が果たしてどの程度市場を安定化させるのに役立つか。さっそくこれに関してコメントが飛び交っているが、ECB筋は否定的、政策当局者はおおむね好意的といったところか。ただ、こういった足並みの乱れは再びユーロ売りにつながる可能性もあり、株式市場でリスクテイクが継続したとしてもそれが素直にユーロやポンドの買い戻しへつながるかは不透明となっている印象も受ける。

英FTSE100株価指数 日足

為替テクニカル

短期ではレンジの様な動きとなり、90.20-60円となっていたが、現在は下値を少し割り込み90円を挟んだ展開となっている。90円割れから89.50円辺りまでは一気に飛んでいるため、どのあたりが意識されるのかは見つけにくいが、目安としては、フィボナッチの38.20%戻し89.71円近辺が第一のターゲットポイントとして浮上する。米雇用統計発表後に上がりはじめの基点となった89.40円が、フィボナッチ50.00%戻しの89.41円と近い水準にあり、このポイントも見逃せない。

USD/JPY 15分足

再びボックス相場を強めつつある展開となりつつあることから、しばらくは90.50-89.50円のレンジを想定し、フィボナッチで上下のポイントを探りながら、株式や他国の発表と合わせてトレンドを見極めていくことが重要か。

一方、上は直近高値の90.68円を抜けたら91円をネクストターゲットとして見ておき、92円トライまで行けるかどうかといったところだろう。

USD/JPY RSI 15分足

RSIで見ると30を割れてから、少し戻した水準で現状36近辺。短期で見ると再度下げた所の戻しを狙いたいところか。注文状況で見ると、92円半ばまでは売りが多く、特に目立ったストップ等は無い模様。下は90円前半から88円後半辺りまでは買い注文優勢であり大きなストップも今のところみられない。