アメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)は8日、アメリカン・ライフ・インシュランス・カンパニー(アリコ)を、約155億ドルでメットライフ・インク(メットライフ)に売却することで正式契約に至ったと発表した。

アリコは1921年に設立された世界で有数の国際的な生命保険会社。生命保険、医療・傷害保険、リタイアメント・プラニング、資産の運用方法についての商品やサービスを個人・法人に提供している。アリコの2008年の米国保険会計上の売上は323億ドルで、税引き後の営業利益は13億ドル。2008年12月31日時点で、アリコは890億ドルの運用資産を有している。日本支店としてアリコジャパンがある。

メットライフへの売却金額である約155億ドルの内訳は、68億ドルの現金とその残額分のメットライフの株式関連証券。その内訳は取引完了に向けて調整される可能性がある。売却により得られる収入のうち現金部分は、アリコに対する持分を保有するためにAIGとニューヨーク連邦準備銀行によって設立された特別目的会社(SPV)において、ニューヨーク連邦準備銀行が保有している優先的分配権を減らすために用いられる。

AIGによると、AIG取締役会の会長のハーベイ・ゴラブ氏は、「この売却はAIGが米国政府に債務を返済していく中で、非常に重要なステップ。アリコは独自性のある国際的な生命保険会社で、今回の取引は、長期的にアリコの潜在価値をさらに高めていくためにも非常に良い組み合わせになったと考えている」とコメントしている。