G-SHOCK、EDIFICEをはじめとする、4~6月にカシオより投入される新製品を紹介する「2010年 Spring/Summer CASIO 時計新製品発表会」がこのほど、都内にて開催された。「Faces of the future,CASIO~CASIOイズムが創り出す新たな感動、BEST BRAND~」をテーマとする会場では、同社独自のエレクトロニクス技術を活かしたフェイスデザインの腕時計が一堂に会した。
会場では、G-SHOCK、EDIFICE、Baby-G、OCEANUS、PROTREKなど各ブランドのブースが用意されていた。発表前の商品も多いため、公開できないものがあり残念だが、ここで一部をご紹介したい。
春夏のコーディネートのアクセントに - G-SHOCK
専用ブースのほか、会場中央のコーナーでもコラボモデルなどを含め数多くの新作を展示し、大々的にアピールされていたのは耐衝撃ウオッチ・G-SHOCKだ。
1983年に誕生して以来、タフさを追求し続けているG-SHOCKの新モデルとしては、耐遠心重力性能を備えた航空コンセプトモデル「GW-3000」が登場。同モデルは、フライトデータレコーダーやコックピットボイスレコ-ダーなどに求められる最高等級(15Gまでの遠心重力)を大幅に超える耐遠心重力性能を備え、エアレースなどでの使用にも耐えうるだけではなく、業界唯一の世界6局の電波受信に対応した「マルチバンド6」、ソーラー駆動システム「タフソーラー」など最新テクノロジーも搭載。"独自のテクノロジーでこれまでのモデルを凌駕する腕時計"として注目を集めていた。
GIEZシリーズには、樹脂部分にG-SHOCKのブランドカラーであるレッドを採用した限定モデル「GS-1300BM」を用意。ベースはクロノグラフタイプの「GS-1300M」 |
耐衝撃、防水のほか、耐遠心重力性能を備える航空コンセプトモデル「GW-3000」 |
また、ミュージック、ファッション、スポーツ、アートなど様々なカルチャーと親和性の高いG-SHOCKならではのモデルも目をひいた。中でも、若者を意識した蛍光カラーを採用した「ハイパーカラーズ」シリーズは要チェック。ビビッドなカラーと大型フェイスで「非常に個性的な仕上がり」(同社広報)という同モデルは春夏のファッションのアクセントとなってくれるはずだ。
「ハイパーカラーズ」シリーズ。フェイスをワントーンで仕上げたタイプや各パーツを個性的な色で配色したモデルも |
デザイナー・中野シロウ氏とのコラボで生まれたG-SHOCK MANに新顔が。「G-SHOCK MAN BOX」の第2弾はハイパーカラーズシリーズより登場(右)。アクセサリーブランド「DEE&RICKY」コラボモデルも見逃せない |
かわいいだけじゃない、機能的なスタイルを提案 - Baby-G
"女性向け"G-SHOCKことBaby-Gの2010年春夏は「ハート」をモチーフにしたモデルを展開。また、スクエアフェイスが特徴の「カスケット」シリーズより、ターコイズ、ブラック、グリーン、ピンク、ホワイトというカラフルな5色展開の新作が登場するほか、Baby-Gの中でも防水性能が高い「リーフ」シリーズでは、これまでスケルトンモデルを多く用意していたが、「ファッション性を高めるためにカラーバリエーションを増やした」(同)という。
このほか、イメージキャラクターには土屋アンナさんを引き続き起用。現在、妊娠中である土屋さんの復帰後、最初の出演がBaby-Gによる「GIRLS VOICE PARTY」になるという噂も。
多機能クロノグラフの可能性を追求 - EDIFICE
日本ではデビューから1年。同社が、G-SHOCKと並ぶ世界戦略ブランドとして位置付けるメタルアナログウオッチ・EDIFICEのブースでは、自動車の3連メーターをモチーフとした文字板を採用した「EQW-M710」を中心として新作が並んでいた。
また、「Advance. Dynamism.」をコンセプトとし、モータースポーツの躍動感とスピード感を体現する同ブランドでは、昨年に引き続き、F1チーム「Red Bull Racing team」とのオフィシャルパートナー契約を締結。今後も同チームの限定モデルや、ドライバーであるSebastian Vettel選手の特別仕様モデルを投入予定だという。さらに、F1を開催する19都市にてプレスカンファレンス&パーティーなどといったキャンペーンを展開するなどイベントも計画されているようだ。
テーマカラー「ブルー」を極めた新作も近々登場? - OCEANUS
洗練されたデザインとスポーティさを特徴とする、ソーラー電波ウオッチ・OCEANUSからは、グリーンとオレンジをアクセントカラーに採用したモデルが登場。「ブルー」のイメージが強いOCEANUSだが、「OCEANUSと言えば"青"という概念からの脱皮。昨年、文字板にブラウンを採用した『OCW-S1400B』が好評だったことから、今年も"少し遊んだ"色を提案したい」(同)という意欲作だ。
また、プレミアムライン「OCEANUS Manta」シリーズからはテーマカラー「ブルー」に新たな解釈を加えた注目の新モデルが登場予定。DJ須永辰緒氏とOCEANUSの世界観を体現する「夜ジャズ」などのイベントも引き続き展開予定となっている。
新カラー展開で幅広い世代にアピールする、PROTREK
アウトドアウオッチ・PROTREKからは、7年ぶりにアナログモデルが復活。アナログ3針フェイス+液晶表示となる「PRW-5000」では、秒針が「方位計測」、「高度計測」、「気圧計測」の結果を示す独特のフェイスデザインに遊び心が感じられる。
また、昨年はレッド、グリーン、ブラック×ピンクの3色で展開していた「カラーディスプレイ」シリーズの新顔として、イエローとブルーが登場。トリプルセンサーを装備するものの、電波機能を非搭載とすることで価格を抑え、若い世代を中心に人気を博した同シリーズのニューカラーモデルの前に足を止める人が多かった。
"ファンを増やす"ユニークなマーケティング術
会場内にて実施されたカンファレンスでは、カシオ計算機 取締役 時計事業部長の増田裕一氏が厳しい状況下にある時計業界に言及。「世界市場の7割を占めるスイス勢が前年比で22%落ち込んでいる」ことを指摘し、「不況の影響で市場は約8割まで縮小している。さらに、消費者の低価格志向やiPhoneをはじめとするスマートガジェットの広がりがこの環境を悪化させる要因として挙げられる」と時計業界を取り巻く環境の変化を説明した。
世界的に厳しい経済環境が続き、消費者の目は以前に増して厳しくなっているが、「G-SHOCKを代表とする機能外装、エレクトロニクスを駆使した個性的な『商品開発』、その集大成である『プロダクトブランド』、さらに『ユニークなマーケティング手法』の3つの強みを最大に活かして時計事業を展開していきたい」と同氏。
マーケティング手法としては、2009年度に12カ国19都市で展開したG-SHOCKのワールドツアー「Shock the world tour 2009」を今年も規模を拡大して開催。同ツアーは「ファンをつくり、ファンが語り、ファンを増やす」ことを目的に、G-SHOCKというブランドの世界観を伝えるカンファレンスとパーティーの二部構成で展開していく。
また、今回の発表会のテーマでもある「Faces of the future,CASIO」に関して、EDIFICEの新モデル「EQW-M710」などを例に説明。「従来のアナログの顔を変えられないか?」と考えた結果として誕生した"カシオならではのアナログ表現"を提案するなど、コア技術を進化させユニークなデザインを創り出すこと、そしてユニークなマーケティングにより、「今の時計業界を活性化する」と力強く宣言していた。