ソニーのPSP

米Wall Street Journalは3月4日(現地時間)、ソニーが新しいタイプの小型デバイスを開発中だと関係者からの話を報じている。1つはスマートフォンで、その最大の特徴はゲームのダウンロードとプレイがオンラインで行える点にあり、同社携帯ゲーム機と互換性を持つPSP Phoneになる可能性があるとも指摘されている。もう1つはネットブック、電子ブックリーダ、ゲーム機の3つの性格を持つ、いわゆるAppleのiPadと同じカテゴリを狙う製品になるようだ。

また同社は昨年、「Sony Online Service(仮名)」と呼ばれる新しいオンラインサービスを今月3月末にも提供開始する計画を発表している。これは家庭内の複数のデジタル機器のデータをオンライン上で共有するとともに、ソニー自らが音楽やTV、映画などのプレミアムコンテンツを、インターネットを介して大型TVやPC、PS3、PSPなど、同社の持つハードウェアプラットフォームに対して配信するものだ。その内容から、AppleのMobile MeとiTunes Storeを組み合わせたサービスに酷似しているとも考えられる。これにより、Appleが持つiPod touch、iPhone、iPad、Mac、iTunes Storeまで、ほとんどの製品ラインで競合する形となる。

ソニーのPSPはライバル任天堂のNintendo DSと比較しても苦戦しており、先月にはPSPの販売目標を下方修正している。また最新ラインナップとなるPSP goでは、従来までのUMDでのゲーム供給形式を改め、すべてのコンテンツがダウンロード経由での提供となっている。1台のマシン内に複数のコンテンツを溜め込めるというメリットはあるものの、既存のソフトが流用できない、また筐体小型化で画面や操作系統が小さくなっているなどさまざまなデメリットがあり、既存の流通ビジネスを崩すといった理由からも評価が賛否両論分かれている。ソニーがEricssonと共同で開発中のゲーム機能付きスマートフォンはPSP goのモデルを踏襲すると思われ、機能面や提供地域、ソフトのラインナップなどが気になるところだ。なおWSJによれば、スマートフォンとiPad対抗のデバイスのどちらも2010年内での提供を予定しているという。