花粉症の人は、目のかゆみや鼻づまりでぐっすりと眠れないこともある。これからの季節、どのような点に注意すべきか、快眠セラピストの三橋美穂氏に聞いた。
1.布団やシーツは外で干さない
睡眠との関係に限らず、何よりも基本的なことは、花粉を室内に入れないということ。花粉症や花粉が気になる人にとって、帰宅時、衣服や髪の花粉を払い落とすことはもはや常識となっている。睡眠の場合も同じで、布団やシーツなどの寝具に花粉がついていないことが、まずは大きなポイントだ。外で干すのは、もちろん禁物。布団乾燥機や除湿機を利用して、湿気を飛ばすようにしよう。なお最近は、花粉対策用として、糸が細く、生地の表面がつるつるした、花粉を払いやすい布団カバーも販売されている。
2.空気清浄機を活用する
室内の空気をきれいに保っておくことも、快眠のために不可欠であることは言うまでもないだろう。就寝する数時間前から、空気清浄機のスイッチを入れておき、快適な睡眠環境を整えておきたい。おやすみ運転機能つき、加湿機能つき、ファン式、イオン式など、空気清浄機のタイプもさまざまなので、自分の部屋に合ったものを、じっくりと比較検討して選ぶように。
3.目鼻の洗浄とうがいをする
目鼻のかゆみを感じるときは、目鼻の洗浄を行う。ぬるま湯で洗浄してもいいが、温かい番茶に天然塩をひとつまみ入れた、濃度1%程度の塩番茶はおすすめだ。天然塩には殺菌作用があり、番茶に含まれるタンニンには、ウイルスの増殖を抑える働きがある。塩番茶は喉の不快感にも効果的なので、うがいにも利用できる。カゼのひき始めにも効果的。
4.アロマテラピーを活用する
花粉症に効果があることで注目されているユーカリやティートリーなど、抗アレルギー・抗ウイルス作用のある精油を活用する方法もある。これらの精油を楊枝の先にとってマスクに含ませると、鼻づまりや喉のかゆみに効く。ただし、目がさえてしまい睡眠に支障がある場合は、睡眠時の使用はやめて、日中だけ使うようにする。
5.たっぷりと睡眠時間をとる
人間の免疫力が高まるのは睡眠中なので、できるだけ睡眠時間は確保するように心がけたい。睡眠時間が6時間を切ると、花粉症の症状が重くなるケースが増えるといわれている。少なくとも6時間以上の睡眠をとるようにしよう。酒やタバコも症状を悪化させる大きな要因となる。控えめにすることが、花粉シーズンを乗り切るポイントだといえる。
三橋美穂(快眠セラピスト)
寝具メーカー研究開発部門長を経て独立。睡眠を多角的にとらえ、わかりやすく実践的なアドバイスには定評がある。とくに枕は、その人の頭を触っただけで、どんな枕が合うかすぐにわかるほど。講演・執筆・個人相談のほか、ベッドメーカーのコンサルティングやホテルの客室コーディネイトなど、企業の睡眠関連事業にも多く携わる。著書に『ねこに教わる快眠レッスン60』(PHP研究所)、『幸せを呼ぶ 快眠ヒーリング』(日本実業出版社)、『快眠セラピー』(KKロングセラーズ)など多数。