EDINET専用の管理編集ツールもクラウド上で動作
宝印刷では、上場企業のディスクロージャー(企業情報開示)支援サービスにWindows Azure Platformを活用。データをオンプレミスな宝印刷のサーバ上に置きながらも、EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork)専用の管理編集ツール「X-Editor」をクラウド上で動作させるハイブリッドシステムを実現している。これは3月決算などの負荷集中を解決する手段となるのはもちろん、機密度が高い開示日前の決算開示書類を安全に取り扱う点でも大きなメリットがある。また、既存の開発環境が.NETベースだったため、短期間かつ少ない工数でクラウド上へ移行できたのもポイントだという。
富士通システムソリューションズでは「WebSERVE smart ソリューション on Azure」として、旅費精算や立替精算をクラウド上で行えるサービス「WebSERVE smart ワークフロー 経理」を紹介。クラウド上のWebSERVE smart ソリューション on Azureとオンプレミスの「WebSERVE smart ソリューション」間でシームレスなデータ連携が可能となっており、仮想的なデータベース統合とハイブリッドクラウドを実現している。なお、WebSERVE smart ワークフロー 経理は4月にサービス提供が開始される予定だ。
キヤノンでは、クラウドコンピューティングに対するMFP(マルチファンクション・プリンタ)の対応ビジョンと検証状況を発表した。まず、ブラウザ経由では高画質での印刷ができない、ペーパーレス化が進むと同社のビジネス自体にも影響があるなどの問題点を示唆。その一方で、クラウド上のアプリケーションからデバイスの検索・接続を容易にしたり、電子文書のセキュリティやデバイスの利用権限など認証・許可に対する取り組み、さらにはクラウドアプリケーション開発者向けのSDK開発にも着手していると明らかにした。同社ではクラウドへの環境変化を新ビジネスのチャンスと捉え、今後も積極的に取り組んでいくという。
契約の容易さや開発者支援も日本展開のポイント
Windows Azure Platformを日本で本格展開するにあたり、マイクロソフトでは日本法人との契約で利便性を強化した。これにより、日本語購入サイトを通じた迅速な対応や日本円での決済を実現。法律や税金の面で安心して利用できるほか、請求書払いも可能になるという。また、無償利用枠のある初期特別プラン、MSDNプレミアム特典、Biz Sparkとの連携なども用意される。
開発者向けにはWebや技術リソースを日本語化する取り組みを実施し、本日よりサービスの概要やFAQ、事例などを紹介する日本語サイトをオープン。購入時の問い合わせやサービス状況確認、開発サポートが提供されるほか、日本語でのカスタマーサポートも行われるという。今後3年間で約2000のコードサンプル提供、MSDNオンラインナビゲーションの改善としてBingとも連携した検索術の公開、今後1年半でさらに1万5000ページの技術情報を日本語化するといった、具体的な取り組みも紹介された。
そのほかキーノートの終盤では、「Windows 7」を搭載した新たなキーボードレスデバイス、「Silverlight 4」の「Smooth Streaming」を用いた高画質ライブストリーミングの裏側紹介やWebカメラと連動したアプリケーション操作、「Visual Studio 2010」によるアプリケーションの新しい開発スタイル紹介なども行われた。なお、Visual Studio 2010に関しては4月13日にローンチイベントの開催が決定しているという。