既報のとおり、デルはタフな現場での利用を想定した12.1型堅牢タブレットPC「Dell Latitude XT2 XFR」を発表した。この機種はすでに販売中の「Latitude XT2」の上位モデルに位置付けられる。直販価格は396,165円から
堅牢性では、振動、ほこり、湿度、高・低温などに対する米国軍事規格「MIL STD 810F」の13以上の項目に適合しているほか、密封型の入出力端子保護カバー、LCD、キーボードを強化し、国際電気標準委員会(IEC)の防塵性、防水性に対する規格「IP54」に適合している。
用途は、屋外、車内、屋内の3つの環境を想定しており、屋外では防衛省などの軍事分野、レスキューやフィールドサービス、電力や水道のメーター読み取りなどの公共サービスでの利用、車内ではパトカーや救急車などでの利用、屋内では医療現場、スポーツ施設、倉庫などの利用を考えているという。
米国では14.1インチの「Latitude E6400 XFR」も販売されているが、日本では12.1のみの販売となる。このあたりをデル 北アジア地域 公共事業マーケティング本部 クライアントソリューションマーケティングマネージャー 垂見智真氏は「パトカーでも日本とアメリカでは車の大きさがちがうなど、日本のユーザーに合わせて12.1インチをリリースした」と説明する。
「Dell Latitude XT2 XFR」の設計にあたっては日本ユーザーの要望を取り入れ、12.1インチのコンパクトサイズ、本体厚さ39mmの薄型仕様、GPSや内蔵カメラなどのオプションに反映させたという。
この分野のパソコンとしてパナソニックの「TOUGHBOOK」が先行しているが、これら競合製品に対する優位性を垂見氏は、グローバルで展開しており、数万台といったオーダーにも対応できる点や、通常のオフィス利用のPCと同じラインナップに位置づけており、新しいOSへの対応やドライバーの提供を円滑に行える点を挙げた。
デル 北アジア地域 公共事業本部 執行役員 統括本部長 郡信一郎氏も「デルがもともと持っている汎用性という強みに、公共に特化したソリューション、ハードウェアを提供していくことが我々の戦略だ」と述べた。
また、垂見氏は市場について「堅牢PCには非常にチャンスがあると考えている。特に12.1インチ以上の市場は、2013年には2007の2倍になると予想している」とした。
オプションとしては、Bluetooth、GPSモジュール、カメラのほか、持ち運び用ストラップおよびハンドル、フレックスハンドル、クロスストラップなどが用意される。キーボードも通常のもの以外にラバーキーボード(英語のみ)も選択でき、タットパネルも、静電気式と感圧式がある。そのほか、入力デバイスとして、スタイラスペンやポインティングスティックも選択可能だ。