米Appleが先週末にかけてアダルトチックなiPhone/iPod touchアプリをApp Storeから一斉削除したことが話題になっている。19日以降、多くのメディアで報じられている。

どの程度のアプリが削除対象になったのかは不明だが、もともとAppleの審査を通過してApp Storeに登録されたものであり、アダルト系とはいえ本来は問題ないと判断されたアプリのはずだ。ゆえにAppleが審査基準のガイドラインを変更したと捉えるのが正しいようだ。

MobileCrunchによれば、今回削除されたアプリの1つである「Wobble iBoobs」はApp Storeに数カ月以上登録されて300,000ドルを稼ぎ出したとしている。だが、Appleから「最近になり多数の苦情がきた」ことを理由に突然削除されたという。

開発者に送信されたメールには「当初は配信に問題なしと考えていたが、この種のアプリに対する多数の苦情を最近になり受け取ったことから、ガイドラインの変更を行った。App Storeはガイドラインも含めて発展を続けており、その点をご理解いただきたい」と記されており、再審査による登録を望むのであればそれを手助けすると付け加えられている。

New York TimesにはPhil Schiller氏のインタビューが掲載されており、今回の判断にあたって「過去数週間にわずかな数の開発者が多数の非常に問題となるようなコンテンツを一気に登録したこと、そしてこれを発見した女性が品位を下げるもの、また両親らが子供に見せられないものとして多くの苦情を寄せてきたこと」を挙げ、許容範囲を超えたことが原因だと述べている。ただアダルト系とはいいつつも、胸を揺らしたり、女性が水着姿でセクシーな動きをするといったレベルのもので、内容は非常にソフトだ。

これについて一部開発者らが強い怒りをAppleに表明していることを、英BBCが報じている。それによれば、一斉削除されたアプリは数千にも上り、その中にはPlayboyといった大手のものも含まれているという。また前述のようにアプリから非常に大きな収入を得ていた開発者もおり、「我々の生活の糧を使ってAppleは実験を繰り返している」といったコメントを出している。